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サカキシンイチロウノホトンドゼンブノブログ
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    HN:
    サカキシンイチロウ
    年齢:
    64
    性別:
    男性
    誕生日:
    1960/01/26
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    表参道にて野菜の料理の昼とする。

    ym.jpgひさしぶりに東京のおもしろい店を見てみたいという、父と一緒に表参道にやってきた。
    そしたら父。
    おい、ココは表参道じゃないんじゃないか?といぶかしげに空を見上げる。
    父にとっての表参道。
    それは同潤会アパートの蔦のからまるレンガな町並み。
    それがどこにでもあるガラスと鉄の箱になったというのが解せないよう。
    ボクもやっぱり昔の風情がいまだに好き。
    全フロアーが吹き抜け囲んだ回廊式の螺旋構造。
    このフロアーの傾きが、表参道の坂道の角度と同じにできてるんだよ…、って蘊蓄いっても「でもこりゃタダの箱だろう」って父の気持ちは収まらない。
    たしかにあの古い建物の風情を残した再開発を何故しなかったのか?って思いもします。
    なやましい。

    61012dfa.jpegガラスの箱の中の3階。
    「やさい家めい」というお店。
    「野菜をたのしむ」がテーマのレストランで、野菜のクオリティが高くて有名。
    珍しい野菜の提案もある。
    けれどみんなが知ってる普通の野菜を、厳選、吟味、しかも面白い調理方法、楽しみ方を提案してる来るたび勉強させてもらえる。

    たとえば「野菜の御膳」という、今日の仕入れの野菜のおいしいところをつかった目玉商品。
    名前の通り全部野菜。
    ナスの田楽をメインにし、アロエのヌタとかトマトのキムチ。
    ズッキーニのグリルであったりロマネスコのおひたしだったり。
    少量だけど、ひとつひとつが力強くて、野菜ばかりのはずなのに貧しいところがひとつもない。
    野菜の実力、しり尽くして作った料理…、っていう感じ。

    なにより中でも一番スゴイと思ったのが、ゴボウの味噌汁。
    輪切りの大根の甘味とホッコリとしたやさしい食感。
    それをしたたか突き放すような、ごりっと歯ごたえたくましく土の匂いがほのかに香るゴボウの風味が好対照。
    濃厚な出汁、コッテリとした味噌がふんだんに使われていて、トロンとまるでポタージュのよう。
    トロロに赤米、キャベツのピクルスとどれを食べても納得の味。

    0777b95d.jpegもひとつ、ココのランチの花形。
    野菜カレーをまずたのむ。
    ココでは外せぬお料理で、野菜カレーと言ってもカレーに野菜が混じっている訳じゃない。
    素揚げの野菜を五穀米の上に飾るように置く。
    それも普通、カレーの野菜にせぬ野菜。
    万願寺唐辛子であったりレンコンだったり。
    ナスやパプリカ、ゴーヤにカボチャと色とりどりで、食べる前から目においしい。
    食欲そそるというコトは、レストランの料理においてとても大切。
    色とりどりで美しく、思わず顔がほころぶ料理は心はずませ、会話もはずむ。
    笑顔と会話はアペリティフとして最高のモノ。
    しかめっ面で料理を眺めて格闘するのは、不機嫌が売りの評論家諸氏の専売特許。
    実は今日、業界視察の一環にての会食でだからテーブル囲んだ面子はおじさん。
    けれどみんなが一様に、目を見開いて「おや、キレイ」ってゴキゲンな声をあげたほど。

    さらさらとしたカレーをタランとかけ回す。
    カレーというよりカレー風味のソースのような…。
    だからかまるでホットサラダを食べてるみたいな、そんな感じがするのがステキ。
    揚げた野菜のひとつひとつが味を濃くしてズッシリ舌を掴んで魅せる。
    苦味、甘みに酸味に風味。
    多彩な味わい…、見事なり。

    ボクらをのぞいて100%女性がテーブル埋める店内。
    12時前にもう満席で、ウェイティングが出来ていた。
    おいしい野菜でおだやかに、笑顔のキレイなご婦人方に囲まれて昼のお腹をやさしく満たす、なかなか出来ぬ、良き体験。

    同じフロアーでもう一軒。

    e0770fac.jpegお菓子の老舗の両口屋是清さんがやってる「R」と言うお店。
    和菓子の新しい楽しみ方をおしゃれに提案いたしましょ…、というたのしいコンセプト。
    ここもご婦人方のお店にて、おじさんたちは肩身がせまし。

    一口大の小さなおはぎや、抹茶クリームで味わうトゥルンとなめらかなヨモギ餅などなど、見目麗しく舌にたのしいお菓子をあれこれ。
    中でもこれはたのしいね…、とみんながニコニコしながら食べたのが団子。
    白玉団子を自分で焼いて食べるモノ。
    石綿網を熱く焼き、そこに団子を置いて転がす。
    コンガリ焼き目が付いたところで、みたらしダレやあんこを付けて、さぁ召し上がれというモノで、アイディア単純。
    でもとてもウレシイおもてなし。

    それにしても表参道ヒルズのお店。
    スイーツ系か野菜系に集約されつつあるような。
    一階部分にあった普通のカフェが最近、オーガニックな野菜のカフェに衣替えした。
    そこそこ流行っているようで、表参道ってやっぱり浮世離れした街なのかもね…、ってそんなコトを思ったりした。
    さて、移動。

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    ■ コメント一覧
    美味しそうです~
    野菜カレー、見て美しく食べて美味しいなんて最高のごちそうですね。
    野菜カレーをあんなふうに盛り付けることが出来るのか・・・とびっくりです。
    両口屋是清さんの自分で焼くお団子。
    これも楽しくて美味しい、ステキなメニューですね!
    これはたまりません。
    団子好き・でも東京から遙か遠くにいる私には、目の保養なのか目の毒なのか・・・。
    いつか行ってみたいなあと思いました。
    素敵なお店のご紹介、ありがとうございます。
    ねえねえさん / 2010/06/04(Fri) /
    おいしいモノ
    > ねえねえさん
    おいしいモノに対する愛着。
    おいしく食べさせてあげようとする情熱。
    東京という街のサービス精神は本当にステキ、と思います。
    ただボクは、今、アメリカに行きたい病にかかっちゃってるような気がしますです。
    サカキシンイチロウさん / 2010/06/04(Fri) /
    ありがとうございます!
    はじめまして!
    初コメントです。
    いつも楽しく拝見しています。

    私は「やさい家めい」の会社で広報を担当しております。
    いつかサカキさんに当社のお店に来ていただけたら、、、とずっと思っておりました。が、今日はこの記事を拝見して、大興奮です!ありがとうございます。

    以前より、サカキさんの本を読んでおりまして、それ以来ずっとファンです。飲食業の世界に身をおく者として、サカキさんの本はバイブルとなり、繰り返し繰り返し読んでおります!

    今後ともタメになる記事(or本?)を楽しみにしております。

    ありがとうございました。
    RBさん / 2010/06/04(Fri) /
    感動的でした
    > RBさん
    前から御社のコトはあれこれ噂を聞いておりまして、是非、一度と思っておりました。
    想像以上の素晴らしさに、感動的ですらありました。
    なによりお客様をよろこばせようとするスタッフのみなさんの情熱的なサービスに、とてもうれしく思いました。
    またまいります。
    一層のご精進、たのしみにしております。
    サカキシンイチロウさん / 2010/06/04(Fri) /
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