渋谷にあってオキニイリの店…、「ハタケのマメヒコ」というお店があって、そこがなんと今月末で閉店すると言うので顔を出しにいく。
渋谷の路地裏。
煉瓦造りの小さなビルの三階にある。
もともと喫茶店としてスタートし、パン焼き工房を作ったと思うと今度は、とんかつコーナーを設えた。
おいしいパンを作ったら、それでおいしいパン粉ができた。
このパン粉でとんかつ作ったらどれほどおいしくできるだろう…、って。
コーヒー専門店の中にもう一つ入り口があって、ドアをあけるととんかつ屋…、っていう不思議なしつらえが面白かった。
その後、豚肉がおいしい「マメヒコ飯店」という中国料理のお店になった。
いろんなたのしい試行錯誤の末に、今では野菜がおいしいレストランのようになってる。
ひとつの場所でこれほどいろんなコトを試したお店は少ない。
しかもそれらすべてが「おいしい素材に正直に」と言う、一本芯の通った営業をしてたというのも、スゴいコト。
ところがとうとう、それもおしまい。
ビルの建て替えでクローズしちゃう。
開店当初からずっとここでニコニコがんばっていた、笑顔凛々しいオバサンとも、間も無くお別れ。
ご挨拶をしなくちゃ後悔しそうでそれで。
ちなみにココの近所のカフェマメヒコも、現在改装中でござりますゆえ、ますますここでマメヒコワールドを味わわなくちゃしばらくオアズケ…、それで今日。
かなり混雑、にぎやかでした。
こことのお別れをしにくるおなじみさんたちでしょうか…、お店の人たちはてんやわんやの大忙しで、いつもはのんびり作って間に合う作業が、なかなかペースをつかめない。
コーヒー飲みつつユックリ待って、まずは前菜…、ブロッコリとジャガイモの温サラダとレバーペーストをもらって2人で分ける。
チーズソースのうま味で味わう素直な野菜のうま味、それから食感に体の中が洗われるような気持ちになります…、フッカリとしたパンもおいしい、…、にてメイン。
ホエイ豚のロースを使ったステーキが今日一番のオススメという。
確かに分厚く、しかも脂がキレイな健康色の肉がおいしい。
しっかりとした噛みごたえ。
噛むと、したたか奥歯に抵抗する頑丈さ。
ところが瞬間、サクッと歯切れて中からジュワッとタップリ肉汁。
こってりとした濃厚なうま味に肉の風味が香る。
この店がとんかつ専門店であった理由も。
そののち、中国料理のお店に一時期なったのも。
おいしい豚肉に出会ったから。
その豚肉を使って、おいしい料理を作ろうといろんなレシピを作った中のひとつが今日のこのステーキ。
肉そのものがおいしい上に、その食べ方にも一工夫。
肉の下にはマッシュポテト。
バターでトロンととろみをつけて、シットリぽってり。
そこにガーリックバターに醤油を少々くわえたソースをほどこして、このマッシュポテトとソースだけでもなんとおいしい。
それを肉と一緒に食べると、ポッテリとした食感、うま味が肉にくわわりゴチソウ感が一層、豪華に盛り上がる。
隣の人が食べてたかつサンド…、とんかつ専門店があった頃、喫茶コーナーでたのむと奥のとんかつ厨房で揚げたカツを使って作ってくれた名作…、それも今日で見納めです。
もひとつたのんだハンバーグ。
牛肉に大豆をまぜて作ったパテが、フックラ、しかも大豆が肉汁をしっかり受け止め肉のうま味がパテの中にずっと静かにとどまっている。
それが口の中ではじめてにじみ出す…、デミグラスソースも上等、こりゃ旨い。
しかもサイドのキャロットラペが、ニンジン臭さがおいしくてお腹がスッキリ、肉を一層たのしく味わう工夫になってる。
あぁ、こんな料理ももうしばらくで食べられなくなっちゃうんだと思うとちょっとさみしいけれど、来週は忙しくって多分やってくる時間がない。
お店の人に、いつか再びどこかでお目にかかる日をとお辞儀をしました、今日の昼。
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