一時期、シンガポールに会社を持っていたコトがあり、よく出張に出かけてた。
そのときには大阪や名古屋よりも、シンガポールの街の方が身近で街の小さなサイズも手伝ってでしょう…、街のすみずみにあるおいしいお店をよく食べ歩いてた。
エレガントでゴージャスなレストランも沢山あるけど、彼の地で最も愛すべきモノ。
それが数多くの屋台レストラン。
気軽な値段で、小腹を満たすに苦労せぬ。
多様で多彩な料理がたくさんあって、例えばキャロットケーキ。
バクテーだったりラクサだったり。
まるで呪文のような聞きなれぬ言葉の料理ばかりで中でも「ホッケンミー」。
海鮮スープを煮含め仕上げる、汁タップリの焼きそばみたいなオゴチソウ。
福建麺=フッケンメン=ホッケンミーと、言葉の由来を知るとなるほど。
福建省で「焼麺」ってよばれるご当地料理。
それが北に向かってできた料理が長崎ちゃんぽん。
南に向かってシンガポールで出来上がったのがホッケンミーで、暑い地方ならではの粘り気のない米粉を使ってスベスベさせた麺の食感がかなり独特、ハマるとハマる。
食欲なくてもスルスルお腹におさまる料理で、ボクはハマった。
たまに食べたくなるんだよね…、って思っていたらば先日、専門店ができちゃった。
場所は原宿、路地の裏。
こんなに暑い日にそんなに並んで熱中症は大丈夫なの?って心配になるようなパンケーキ屋さんの行列のすぐそばにして、ココは行列無縁の静かな原宿。
「ヤックマン」っていうお店の名前で、「焼く麺」をもじって作った造語なんだって。
もっとシンガポールらしい名前にすればいいのに…、って思いもしたけどまぁ、ご愛嬌。
作り方はまんま現地の通りであります。
まずは麺を炒めてこんがり、焦げた風味をまとわせる。
蓋した鍋でエビの香りが強烈に漂うスープと焼いた麺と具材を蒸し焼きにして、ほどよきところで蓋をとる。
鍋の水気を飛ばしつつ、スープの旨味を麺の中へと染み込ませお皿にもって出来上がり。
麺は2種類。
白い麺が米の麺…、ジャスミンライスを使った麺で日本の米粉で作った麺がどうしてももつムチムチとした粘り気がない。
だからスベスベ。
余計な油もすこまず、麺の絡みもいいからこれはシンガポールから空輸しているのだという。
もう一つの黄色い麺は小麦粉使った玉子麺。
歯ごたえ確かでハリ、コシ強い噛んでたのしい太麺で、その両方の麺を一度に口に含むとプリプリとした独特の食感になる。
この食感がまずはゴチソウ。
魚の出汁にオイスターソースの甘みと香りがくわわり、中国っぽさを出してはいるけど、エビの香りのスパイスが赤道直下のアジアな香りにしてくれる。
具材も豊富で殻付き尾頭付きのエビ、イカに玉子と食感、味わい変化に飛んでてなかなか旨い…、シンガポールにいかずともホッケンミーがやってきたんだって思うとなんだか感無量。
サンバルソースにライムを混ぜたり、搾ったり…、臨機応変に味を変え味わうたのしみがあってこれはかなりのオキニイリ。
何よりお店の中に入った途端にエビの香りに包まれ、エビ好きさんには堪らぬお店。
ただ高いです…、麺が空を飛んできているそのコスト、それから表参道という場所のコストで1000円札があっという間になくなっていく。
それからお店の人がずっと味見をしながら味を整え作ってる…、体をこわさなきゃいいけどなぁってちょっと心配するお店。
でもオキニイリ、多分またくる、また来よう!
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