夜を銀座でガッツリお腹においしいものを…、と、最初は餃子で有名な老舗に行こうとテクリテクリと、ところがそこが長蛇の行列。
それでそうだ、今月オープンしたばかりのあそこはどうか?とやってくる。
「N9Yブッチャーズグリルニューヨーク」っていうお店で、ブッチャースタイル。
「肉屋さんが料理を作ってみましたレストラン」とでも言えばいいですか…、日本的に翻訳すれば「漁村で漁師が作る料理を食べましょうレストランのお肉バージョン」って感じになるかもですけれど、最近、ちょっと東京で流行りを見せてる。
土曜日の夜、予約もなくて時間は7時ちょっと過ぎ。
あいてるかなぁと思ってきたらガラガラだった…、ビルの地下で目立たぬ場所でまだお店の存在が知られてないのか、どうなんだろう?
お店の雰囲気はとてもよい。
ニューヨークのソーホーっぽさとでもいいますか。
古い倉庫を改装したグリルレストランのような感じで高い天井。
そこからぶら下がったキッチュなデザインのシャンデリアが秘密めいた雰囲気を出していて、そこに賑々しいオープンキッチン。
目を凝らしてみると安普請なところが目に付く…、でも大丈夫。
これでお客様がガンッと入ると、カジュアルでたのしいムードが出るに違いないだろうって思える空間になるんでしょうね。
親密な雰囲気を持つブース席。
カジュアルな丸いテーブルと多彩な使い勝手が用意されてて、中でも20人近くも座れそうな大きく長いテーブルがニューヨークのグリル的。
そのテーブルのテーブルトップの下に引き出しが造られていて、そこにズラリとナイフにフォークにスプーンが並ぶ、お店のスタッフを呼ばずとも良いたのしい工夫。
メニューはとてもシンプルで、肉の前菜、肉の料理にサラダ、スープと40商品くらいでしょうか…、中でもやはり肉の料理はかなりたのしい内容でそれをいくつか。
ビア缶チキンとバタークリームフライドチキン、それからスパイシースペアリブってそれぞれココの売り物料理をたのんでためす。
それぞれドンッと大胆になんの飾り気もなくやってくるのがたのしくて、でももう少しボリューム感があればいいのにって、アメリカンサイズになってないのがちょっと残念。
でも味は見事で、ウットリします。
バターとクリーム、ミルクに味付け液の中に漬け込み、それにバリバリ分厚い衣をつけて揚げたフライドチキンは、体にわるいに違いない…、って思いながらもやめられぬ。
口の中で衣がザクッと崩れて中からフックラ、シットリした肉が飛び出しホロッ。
ほぐれて衣と混じってトロンと消えていく。
一口食べて、もう一皿!って追加しちゃった…、オキニイリ。
缶ビールの蓋を切り開け、鶏のお腹に突き刺してロースターで焼きあげるビア缶チキン。
お皿の上にその状態でやってくる…、その姿がちょっと残酷だけど愛らしくもありとてもたのしい撮影タイム…、お店の人がそれをはさみでキレイに解体。
モモに胸、手羽元、手羽先と器用にパーツごとにして、お皿に並べてくれるのだけど、解体ショーを見ている間、ずっとお腹がなるほど香りが豊かでたのしい。
肉はシットリ。
時間をかけてお腹の中から熱が入っているからでしょう。
ローストチキン独特のキチキチするような繊維感がほとんどなくて、まるで蒸しどり。
お腹の中に入ってたビア缶抜いて、中を覗くとキレイな鶏の油が浮いた液体タップリ。
飲んでみますか?って言われて飲むと、ビール独特の苦味をもった、けれど鶏のスープが口にながれこんでくる。
不思議においしい、オモシロイ。
ポークスペアリブも分厚く、やってきたときはまるでベーコン。
骨を外して切り分ける。
ガッシリとした頑丈な肉、それを漬け込むディップ液が独特で、まるでチャーシュー。
甘くて脂の香りが豊かで、噛めば噛むほどうま味が口に広がっていく。
上にのっけた赤い物体…、ピーナツを砕いて赤唐辛子と一緒にパラパラ炒めたモノでまぶして食べるとピリッと辛くてますますアジア料理のようなフレーバー。
オモシロイなぁ…、ココのお料理。
ビールを飲むにはぴったりで、けれど主食になるような料理がほとんどないのが残念。
フライドポテトでお腹を満たす他ないメニューで、もしココに肉屋のミートソースのようなパスタがあったりしたらもっとたのしいのにな…、って思ったりした。
たのしい夜の一軒目、あるいは仲間とガーッとビールで盛り上がる、そんな使い勝手いいかもしれないって思ったりした、オキニイリ。
ちなみに店名の「N9Y」…、ニクヤと読みます…、オモシロシ。
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