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2024/11/24 (Sun)
ワイン食堂、パリな夜
夜、
「パリのワイン食堂」
にてゴキゲンディナーといたします。
昨年の12月1日にオープンしたばかりなのに、すっかり老舗の風格が出た。
ワインの食堂。
パリの食堂。
つまり気軽にたのしめるパリな気分に満たされたおいしい空間。
ただのレストランじゃなく、ちょっとした旅の気分を味わえる特別感があるお店。
予約がかなり取りにくくなった。
まぁ、しょうがない。
ちょっと早めに電話をかける、行動力があればシアワセを手に入れることができるのですから、まぁ、しょうがない。
本当はもっと早い時間にきたかったけど、早い時間はもう2週間以上前に一杯。
7時というのが一番早い予約可能な時間だった…、それでちょっと遅めの時間にディナーのスタート。
今日は連休中日でもあり、だからユックリ。
明日のことは心配しないで心置きなくお喋りしながらおいしい夜更かし致しましょうと、イソイソ来ました。
すぐ向かい側に去年の秋まであった歌舞伎座が今は更地で工事現場になってしまってる。
だから夜はとっぷり暗く、けれどお店の中はにぎやか、キラキラしてる。
基本的にプリフィックスのお店であります。
消費税込で3000円ちょっと過ぎ。
それでまずはアミューズブーシュがやってきて、好みの前菜、メインをたのんでデザートまでがつくというモノ。
選ぶたのしみ。
予算がだいたい、わかる安心。
その両方が一度に満足できるだから今の気軽なレストランでは、大定番になっちゃった。
何人連れかでやってきて、割り勘するときもこれなら分かりやすくて安心。
だから重宝されるんでしょう。
なによりテーブルを囲むみんなが自然に仲良くなれる空間。
必要十分なサイズの小さなテーブルに、肩を寄り添うように座る親密さ。
明るく、しかも気軽なインテリア。
陽気で親切、けれどほどよき距離感をもったサービススタッフがいてくれている。
日本的に言えば、よき居酒屋の雰囲気なのがとてもうれしい。
料理も気取らぬ盛り付けで、飾りっけはないけどその分、ボリューム感や迫力がある。
まずはアミューズ替わりの豚のリエットがやってきて、それにバゲット。
前回来たときは、ココの名物、カリフラワーとポーチドエッグのアミューズがひとりひとつづつやってきたけど、今日は何人か分のリエットがココットに入ってやってくるだけ。
ちょっと寂しくはあるけれど、お酒を飲むにはこちらの方がいいのでしょうネ…。
シラー系の華やかなベリーの香りがたのしいワインを一本あけて、ゴキゲンディナーをスターとします。
魅惑的な前菜がいくつも揃う中に季節の素材を発見。
ホワイトアスパラガスの料理が2種類。
ひとつはストレートにホワイトアスパラガスを茹でて、チーズとポーチドエッグで食べるという料理。
太くて立派なアスパラガス。
おどろくほどに繊維がやわらか…、だからナイフでサクッときれる。
ホワイトアスパラガス独特の苦味を帯びた香りと味わい。
タケノコっぽいほろ苦さ。
軽い酸味と、強い甘味とみずみずしさと…。
香りおだやかで塩味、旨みの強いミモレットチーズをタップリ削りかけ、ポーチドエッグのトロトロの黄身とそれらがまじるとオランデーズソースのようになっていく。
なるほど、食べてほしい前菜にポーチドエッグを使っているから、今の季節のアミューズはポーチドエッグはないモノを…。
気がきいている…、ありがたい。
季節の味でございます。
春の遅い、ヨーロッパの北側の春を告げる野菜でもある。
あぁ、ベルギーに行きたくなっちゃう。
チコリにホワイトアスパラガス。
新しくでたじゃがいもを、カリッとフリットにしてもらいベルギービールかキリッと冷えたシャブリで味わう…、いいだろうなぁ…、って思ったりする。
もうひとつのホワイトアスパラガスの料理がこのグラタン。
同じく太いアスパラガスを一口大に切り分けて、茹でてソテして器にいれる。
軽く仕上げたベシャメルソース。
溶かしバターを回しかけ、ここにもポーチドエッグをポテリ。
ホワイトアスパラガスと玉子の黄身の相性はおどろくほどに良いのであります。
ホワイトアスパラガスに限らず、香りと風味がよい素材。
例えばトリュフのような食材は、程良く熱が入った玉子の黄身と出会うと、その持ち味を際立たせる。
ネットリとした黄身の粘り気が、ハリがあるけどツルンと少々よそよそしい、アスパラガスの食感やさしく包みこむのも、またゴチソウ。
パン粉を軽くほどこして、オーブンの中で焼くとそれがカリッと揚がる。
ツルツル、シャキシャキ、ムッチリ、ネットリ、カリカリ。
茹でてそのまま食べるホワイトアスパラガスも素直でおいしい。
けれどこうして手間をかけると、食感にぎやか、味わい深くて豊かな味わい。
フランス料理!という感じ。
メインをいくつかたのんだなかで、メインのメインが豚のブレゼ。
豚のモモを丸ごと一本。
ルクルーゼのお鍋に入れて、ブイヨンスープをひたひたにはって蒸し煮する。
密閉性の高い鍋。
しかも分厚いホウロウびきで蓋も重たくジックリ、ジックリ火が入っていく。
蓋付きの鍋のまんまでテーブルにまでやってきて、さぁ、召し上がれと蓋をとる。
その瞬間に、蒸気がフワン。
それと一緒に肉のおいしい匂いがポワン。
テーブルの上が華やかで、おいしい空気に満たされる。
トングで肉をひっぱるとそれほど力を入れてないのにポロリととれる。
肉の繊維がバサッとこわれ、コーンビーフのような姿でお皿にのっかる。
豚独特の白身を帯びた肉の色。
シットリしてて、ネチッと奥歯にくっつくような肉感的な噛み心地。
肉の旨味がジュワッと舌に広がっていく。
ディジョンを付けると渋味が旨みをひきたてて、刻んだハーブを練りこんだソースを付けると、酸味が肉の甘味をひきだしていくたのしい味わい。
手をくわえ過ぎず、肉が自らおいしくなりたい…、その方向にいざなうだけのシンプルにして、だから肉そのものの旨みを感じるステキな料理。
一緒に煮込んだカブやニンジンに肉の旨味がしみこんで、シットリおいしい。
骨の周りのゼラチン質やプルプルとした脂まで全部たいらげ、裸の骨が鍋でカタカタ寒さに震えるその様に、征服感まで満たされる。
集まったみんなはなぜだか肉食系。
たのしい食卓には肉だよねぇ…、とだから他のメインもみんな肉。
牛のみすじスッテクンフリッツ。
骨付き豚をローストし、脂でツヤツヤしたとこにローズマリーの香りをつけた、サクッと歯切れる食感たのしむ男性的なる一品や、仔牛の肉をきのことソースとグリルしたもの。
どれもシッカリした揺るぎなさ。
飾りっけはなく、けれど正しくおいしくて、会話が弾むゴキゲンな味。
だからでしょうか。
他のテーブルの上にも笑顔で一杯になる。
ボクらのまわりがみんなたのしい、そのたのしさが、ボクらのたのしさになっていく。
共鳴しあって増幅していく、レストランのパワーとステキなエネルギー。
隣のテーブルのたのしい会話を小耳にはさみ、クスッと笑ってデザートにする。
アイスクリームやチョコムース。
甘いモノにてお腹に蓋する…、たのしい話題が次々でてくる口に蓋することはできぬのがまたたのしくて、夜がふける夜。
パリのワイン食堂
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2011/05/05 (Thu)
銀座イースト:洋
Comment(6)
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春の味
なんと美味しそうなホワイトアスパラ!お昼ごはんを食べた直後だというのに、お腹が鳴ります(笑)。
いいレストランって、本当に元気回復しますよね。
どうぞよい連休を。
momoさん / 2011/05/05(Thu) /
編集
元気回復
> momoさん
元気をお腹の中からつくり上げる…、それがレストランの生まれながらの役割ですものね。
季節の美味とたのしい仲間との会話。
これで生まれぬ元気があったら、そいつの顔を見てみたい。
そんな風にさえ思います。
サカキシンイチロウさん / 2011/05/05(Thu) /
編集
予約しちゃいました!
今週末の母の日に、
母をランチに誘ったのは良いものの、
「場所が銀座付近」と決めただけで、
ノーアイデアだったのです。
ここならば、私も母も大満足間違いなしです。
やったー!楽しみです~!
そして、個人的には6月のバスク祭りに興味津津。
フレンチバスクに一昨年行って、バスク好き。
チャコリ飲み放題って・・・行かないでどうする・・・?!です。
tonamiさん / 2011/05/05(Thu) /
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ここのお昼は
> tonamiさん
ここのランチは驚くほどのコストパフォーマンス。
一週間に一度は通ってもいいかなぁ…、と思うほどです。
サービスもキビキビしていて気持よく大切な人とのカジュアルなランチにはぴったりでしょう。
バスク料理。
ボクも大好き…、うーん、また豚を食べたくなっちゃいました。
サカキシンイチロウさん / 2011/05/05(Thu) /
編集
うらやましい!
いいな、いいな!
すぐに行ける東京の人がうらやましいです。
よしみんさん / 2011/05/05(Thu) /
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東京という街
> よしみんさん
日本全国、どんな街にもステキなお店は沢山ある。
でも、多様さにおいてはやっぱり東京が一番でしょうね。
ボクがどんなコトがあっても東京を離れられない理由の一つが、この飲食店の多彩で豊かなところだろうなぁ…、って思います。
サカキシンイチロウさん / 2011/05/06(Fri) /
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大人の遠足、スカイバス
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