ランチを有楽町の中国料理のお店に来ます。
「慶楽」という店…、純広東料理という看板を出してる通り、日本化されない香港系の料理をずっと作り続けてる店。
かつては文人や趣味人と呼ばれる人たちに贔屓にされていたらしい。
今じゃ「文人」という言葉も死語のようだし、有名な人の評価より匿名のつぶやきの方が信頼される世の中で、たよりになるのは芸能人のサインだけ…、ってのが飲食店を囲む環境、ココのお店のレジの後ろにもお笑いさんの本がおかれてた。
香港のちょっと上等な食堂に置かれるような椅子にテーブル。
龍の模様が中国らしきテーブルクロスがおかれてて、今のはやりに迎合せぬ様。
立派かもねって思ったりする。
目当ての料理。
ここの名物料理の「スープ炒飯」。
丼の中に炒飯を盛り、上からスープをかけたモノ。
初めて出会ったときにはビックリしたものでした。
だってパラパラ焼けて香ばしいのが炒飯という料理の命。
そこにスープをかけてしまうと、そのせっかくのおいしさが台無しになっちゃうんじゃないかと思って、食べてみたらばなんと炒飯がパラパラしてる。
油で炒めた香りだったり具材とご飯が混じってカラコロ、舌の上をちらかるさまとかまさに炒飯。
しかもかなりおいしい炒飯で、スープの上等。
上湯スープという、日本料理でいうとこの命の出汁の風味重厚。
炒飯の味や香りに負けぬ味わいにウットリします。
スープが熱々、炒飯熱々で、その熱々が互いをあたためあってずっと熱々状態が続くのもスープ炒飯ならではってとこ。
テーブルの横に置かれた赤唐辛子を油とお酢に漬け込んだ調味料理をパラッと散らし、彩り、辛みにうま味を足してハフハフ味わう。
食べてるうちにお腹の中から体があったかになってくる。
ご飯粒が油でコーティングされてるからでしょ。
スープの中に浸かっていても、ご飯が膨らみ、ベタッとなるようなコトがない。
そっとスプーンですくっていくと、すくったとこだけスプーンに乗って、そこ以外のところの形が崩れない。
お玉の中で、キレイなドーム状に形づくったからなんでしょう。
雑炊でもなく、スープご飯でもなくてあくまで食べ終わるまで「炒飯 plus スープ」というのが見事なところ。
しかもスープに油が浮かない。
ご飯を炒めた油がシッカリ、お米の中に入っているから。
だからスープに移らないのかって、食べつつずっとこのお料理の不思議に頭がフル回転。
そんな不思議に口が慣れると、オモシロイほど具材の風味や味に気持ちが移ってく。
特にチャーシュー。
香港風の赤く表面仕上がった、クチュっと歯ごたえシッカリしたもので、噛むと中華スパイスの香りが鼻から抜けて香港にきたみたいな気持ちがしてくるステキ。
お腹もほどよく満たされて、さて、帰りましょ…、ごちそうさん。
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