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2024/11/29 (Fri)
小籠包にて春を呼ぶ
午後からの事務所開きのその前に、会社のみんなと昼をことほぐ。
日本橋の高島屋にある
「鼎泰豐」
にて小龍包。
東京駅の前で集まって、「今日は香港風にしようかそれとも、
台湾風?」って多数決とり、この店選んだ。
高島屋にはもう一軒、香港から来た「糖朝」
なる食後のたのしいお店もあって、けれどボクらはおじさん4人。
スイーツよりも質実剛健なる美味にしましょう…、とそれでココ。
地下二階。
食品フロアのその下にある、
だからワザワザここを目指してやってこなくちゃいけない場所で、
それでも行列。
ピークの時間を避けてきたのに、10人ほどの先客が待つ。
じっと並んで20分ほど。
決して少なくはない客席がギッシリ埋まる様は壮観。
しかもどのテーブルにももれなく大きな蒸篭が置かれる。
この店に来るということ。
それはイコール、この小龍包を食べるというコト。
たしかにおいしい。
大きさほどよく、
大きく口をあけるとちょうど舌の上にストッと収まる。
上海風の大ぶりで、皮に穴あけ、
中のホットスープを飲み干してから食べないと大変なことになる小
龍包も悪くない。
けれどパクンと丸ごと、ハフハフ食べるここの流儀もまたタノシ!
台北の本店に行って運がよければありつける、
親指大の小龍包があって恐ろしいほどそれがおいしい。
舌において上顎にあて、
クチュッと潰すと口一杯に旨みが広がり首から上が小龍包に占領さ
れたみたいな気になる。
も一度食べたい…、なつかしの味。
小龍包がおいしいこの店の、もひとつ隠れた名物が「もち米焼売」
。
中国醤油のコクと風味。
干し貝柱と蝦の旨みをタップリ吸わせて仕上げたもち米。
ただそれだけで食べてもおいしいモノを、
ワザワザ小麦の皮で包んで蒸しあげる。
海の底の岩に貼りつき、
ユラユラゆれるイソギンチャクのような造形が、ちょっと独特。
ユーモラスにて、味は濃密。
炭水化物の具材を炭水化物の皮で巻く、
という炭水化物な料理でありつつ、不思議なほどに「海の旨み」
がタップリとする。
なによりそのまま食べるもち米とは、
まるで食感が変わるのですネ。
むっちりとした噛み応え。
ムチュンと歯ぎれる皮の不思議な存在感と、
他に比べるモノがないほど。
ここにくると必ずたのむ、必食料理。
今日も堪能、ご機嫌になる。
一緒に好物、パイクー麺。
本場、台湾の鼎泰豐では麺を食べたことがない。
メニューにあったかどうかも不確か。
この店本来の楽しみ方は、小龍包でおなか一杯にすること…、
なのだろうけれど、無粋なボク。
中華料理店にやってきて、「排骨」
という二つの漢字をメニューの中に発見すると、
無抵抗になってしまう。
排骨…、パイクー、あるいはパイコー。
五香の香りをほどこしたクワイの粉をタップリまぶし、
カラッと揚げた骨付き豚肉。
カレーの味をそっとしのばせ、
噛むとジュワッと豚の旨みが滲みだす。
豚肉料理の最高峰のひとつである…、と、
ボクは勝手に信じています。
そのパイクーをスープに浸す。
せっかくパリッと揚がった衣が、スープを吸ってシットリ濡れる。
しばらくするとそれがベロンと剥がれてスープを漂い始める、
その漂流物が麺に絡むとこれがなんともいえぬ美味を生む。
だから「排骨」という二文字に続いて「麺」の字を見てしまうと、
いてもたってもいられなくなる。
今日もそう。
それにしてもココの排骨。
日本で食べることができる排骨の中でもかなりハイクオリティーに
属する排骨。
スルンとなめらかなストレート麺の、
ヌメヌメとした食感もラーメン的でなくってステキ。
ニッコリ、ウットリ、昼、終える。
出社までの時間をお茶をしながら、今年の抱負をあれこれ語る。
高島屋の地下と一階のちょうど真ん中。
マイナス2分の1階…、ってボクは勝手に呼んでいる。
階段踊り場に面してひっそり営業している「薔薇窓」なる店。
カフェじゃなくて喫茶店。
それもかなり昭和の半ばのテイストの、
お店に座って紅茶と洒落る。
アールグレイをたのんだら、カップにポット。
よく磨かれたステンレスのティーストレーナー。
それから小さな砂時計。
なんだかとても懐かしくって、ほんわかするよなセッティング。
昔、百貨店にはこうしたお店が必ずあった。
無駄を買う。
それが百貨店に買い物に行く、ということだった時代の「
時間の無駄遣い」。
心ゆたかをたのしむ場所が喫茶店であったというコト。
なんだかとても、昔のように思えてきます。
なやましい。
昭和のレディーに囲まれてお茶を飲んだら、さて仕事。
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2010/01/05 (Tue)
銀座イースト:ア
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