サカキノホトンブログ富山にて

S	M	T	W	T	F	S
					1	2
3	4	5	6	7	8	9
10	11	12	13	14	15	16
17	18	19	20	21	22	23
24	25	26	27	28	29	30

富山にて

富山に来ます。

ずっと応援していた「カエン」って言う韓国料理のダイニング。
もともとフランス料理のシェフだった人が、一から韓国料理を勉強して、それで今ではおそらく日本でも有数の「韓国料理の名手」になった。
それにゴキゲンなママのサービス。
家庭的でけれど料理は本物で、だから人気のお店になった。
そこが今度、２号店を出すというので、いろんなコトの確認と打ち合わせのための富山となった。
飛行機つかってひとっ飛び。
仕事のメインはやっと固まったインテリアプランをチェックするコト。
それからメニューの骨子を決めて、食器選びを手伝うコト。
ちょっとおしゃれな「今のソウル」をイメージさせるたのしいお店になりそうで、またやってきて今度は試食をさせてもらうのを楽しみにする。
いい感じ。

遅めのランチを一緒にいかが…、とそれで来ました、「とんかつ石坂」というお店。

昭和の風情がタップリ漂う、小さな外観。
後ろにピカピカの新築マンションがドッシリ控えて、尚更、小さく感じるステキ。
暖簾をくぐって中に入ると、これまた昭和。
民芸風の店作り。

いらっしゃいませと出迎えてくれるおかあさんが、見事にこれまた昭和な感じ。
同じ昭和でも昭和一桁…、じゃないでしょうか？
けれど腰も背筋もシャキッと伸びたおばぁさまに案内された個室に入ると、なんと真ん中に炉が切ってあり、そこに鉄瓶がぶら下がってる。
田舎の民宿に来てしまった…、そんな感じがまたたのしい。
「とんかつ」と店名の頭にあるとおり、メインの料理はとんかつ、メンチにエビフライ。
けれどナポリタンやカレーも顔をのぞかせて、つまり「和風的なるとんかつ店」ではなくて恐らく「洋食レストラン」が生き残るため、とんかつ屋さんになったような、感じがします。
その洋食レストラン時代を彷彿とさせる料理を作ってもらう。

それがこれ。
ポークチャップでございます。

ポークチャップっていうまずは名前が懐かしい。
アメリカ人が大好きな、豚厚切りをソテしてそこにケチャップ、それからグレービーソース。
よく炒めつけトロミを出したソースを絡めて食べるというモノ。
お箸で食べやすく、一口大に切り分けて鉄板の上に乗っけるステキ。
一口食べると、サクッと歯切れる豚の食感。
同時にジュワッと肉汁広がり、そこに甘酸っぱいソースがからむ。
なつかしい味。
甘酸っぱいのがハイカラなゴチソウだった時代の食べ物。
ご飯との相性もなかなかによく、食欲進む、オゴチソウ。

サイドにキャベツとナポリタン。
キャベツが生の千切りというのがまた洋食的。
油が回ってガリッとちょっと焦げた感じのナポリタンも典型的なる昭和の味わい。
タップリとした漬物に、柚子の香りがさわやかな具がタップリと入った味噌汁。
タイムスリップするのがたのしい、この街に来たらこれを食べなきゃ…、って思わせるほどにオキニイリ。

軽く打ち合わせをしましょうか…、とスターバックスに潜り込む。

実は前からきたくてしょうがなかったお店。
環水公園という再開発してできた水辺の公園に面してつくられたスターバックス。
世界中のスタバの中で、風光明媚な環境をもつお店のひとつと言われるところで、たしかにのびのびして美しい。
まるで山岳リゾートの湖を望むホテルのテラスでお茶を飲んでる…、そんな気持ちにさせてもらえるココロの贅沢…、ただ自然に囲まれた富山の街に人工的に作られたこうした場所が必要だったかどうかは棚上げ。
都会から来て、こうしたスタバをみるのがとてもありがたく、ウレシイご褒美。

そして夜。
街中の和食のお店で魚を食べる。
大きなつぶ貝の醤油煮をお通しに食べ、ズワイのカニの焼いたもの、それから酢物にしたもの。
そして刺身の盛り合わせ。

カレイにいわし、のどぐろ、それから白身の魚。
甘エビ、白エビ、ズワイの足と北陸の美味をあれこれいただく。
地方地方で刺身の色が違うのがいい。
例えば九州。
刺身はキラキラしているもので、東海地方から関東にいくと刺身に赤みが増えてくる。
北の地方や北陸はこうして象牙色っぽい白さを帯びる。
どれもブリブリ、歯ごたえたのしくしかも脂がのっている。
見事においしくお酒も進む。

それはそうと今度の地震で、東京からやってくるはずの食材が徐々に途切れ始めてるという。
直接的な被害はないココ。
けれどこれからおそらくユックリ、地震の影響が広がっている。
決して他人ごとではないこの地震…、日本は一つ、どこかで必ず繋がっているというコトなのでありましょう。

[0回]

2011/03/15 (Tue) 東京以外のレストラン Trackback() Comment(10)

■ この記事にコメントする

お名前
タイトル
文字色
URL
コメント
パスワード

■ コメント一覧

無題

いつも楽しみに拝見しています。
被災地以外ではいつもと変わらぬ営み、平静が大事と思います。特に東京では停電等の影響で買い占めするような動きがあり。
自粛したり萎縮することはないと思うけれど、贅沢なグルメ情報は今しばらくいらないかなと思うのも正直な気持ちです。サカキさんはお仕事でそうなさっているのは重々承知しているのですが。まだ見つかっていない人もいる。ごめんなさい。

かなさん / 2011/03/15(Tue) /

編集

平静でいる

> かなさん
確かに大変な時期であろうとは思います。
けれどボクたちは生きていかなくてはならない。
今の日本を生きているのが、苦しくて仕方ないと思うようで、それこそ申し訳ないコトであろうと思います。
生きていればこそ。
そしてその生きていることを、心からシアワセと感謝すことこそが今、大切なコト、と私は信じるコトにしました。
こんな時期に、買い占めをする気持ち。
他人を出しぬいてまで、楽しいことを独り占めスルようなコトがあってはならぬとも。
こんな時に、おいしいものを食べた素直な気持ちを、それこそ独り占めすることはあってはならない。
そうも思います。
ですから、こうして、これからも気づいたこと、出会ったことを素直にココでみなさんと分かち合うことができれば、と思います。
どうかご理解、お願いいたします。
このブログが更新されぬ日。
それは私が、何も食べることができなくなった哀しい時だとご理解ください。

サカキシンイチロウさん / 2011/03/15(Tue) /

編集

無題

お返事書いてくださってありがとうございます。毎日大切に拝見するブログ故、余計なこと、どうしても気になってコメントしてしまいました。多くの人の中にサカキさんの書かれているお気持ち半分、私の書いた気持ち半分だと思いました。あらためてサカキさんのお人柄感じました。

かなさん / 2011/03/15(Tue) /

編集

being humble to appreciate

センチメンタルな話なのですが、

昨日デパ地下に立ち寄ったとき
バースデイケーキを買っている人がいたんですよね。
もちろん、こんなときだからケーキ屋さんはがら空きなんだけど。
ちゃんと、バースデイ・キャンドル選んで。

その一方で、遠くの知人がなくなってしまい。
長らくの持病かと思ったら、
不測の交通事故で。
遠くスペインの空の下で。

だから、サカキさんは
どうぞ美味しいものを召し上がって
私たちにゴキゲンを知らせてください。

どんなに心が痛いときでも
どこかに幸せな人がいる方が
ワタシは、好きです。thank you.

たばきちさん / 2011/03/15(Tue) /

編集

繋がる　か　どうか

国難まさに国難　なのに　株価が下がる　円が上がる　ＭＯＮＥＹには国境が無い　というより見境が無い　情けない。で柳井さん　素敵だな。出来る事今は義援金と物資支援、台湾から政府が義援金一億台湾ドルこれもステキ。素敵、に目を向けて行こう　富山のスターバックス
日曜日の陽光降り注ぐ時一段と「市民の店」になるんですよ。

ジッサさん / 2011/03/15(Tue) /

編集

ありがとうございます。

> かなさん
ご指摘のように感じられる方もたくさんいらっしゃるでしょう。
このようなときに対する行動の仕方。
人それぞれ。
どのようなアクションが正しいとは一概には言えぬ物とおもいます。
そうしたご懸念を、代表してご指摘いただきとてもありがたく感じました。
どうもありがとうございます。

サカキシンイチロウさん / 2011/03/15(Tue) /

編集

シアワセはココロの中に

> たばきちさん
ボクはシアワセは外に求めるものではなく、自分の中に作り出すものだ…、とそう思っています。
しかし、自分でシアワセを作り出すにはそれにふさわしい環境と、理解者、そして安心が必要であろうとも思います。
今の東北にはそれらがほとんどすべて欠けている。
なやましい状況です。
すべての日本の人たちが、自分のココロの中にシアワセの火をともすことができる日がきますようにと、祈るばかりです。

サカキシンイチロウさん / 2011/03/15(Tue) /

編集

台中地震

> ジッサさん
実はかつて、台湾の台中を中心としたエリアで大地震があった、まさにその日にボクは台北にいました。
大変でした。
人の気持ちを壊してしまうほどの災害の中にあって、けれどみんながひたむきに互いを助けあってガンバル姿。
なんだかその時のコトを、ちょっと思い出してしまいました。

サカキシンイチロウさん / 2011/03/15(Tue) /

編集

普通でいる

東京在住ですが、タイトな納期の仕事をしていて、
こんなときにも仕事をするのはしんどいと、正直思いました。

でも「静かに可能な限り日常を持続させることを目標としたい」、
こんな言葉を伝えてくれた人がいました。
それぞれが己の仕事を淡々とこなすこと、
そのことが、今とっても大事なんじゃないかって。
サカキさんは、サカキさんにしかできないことをなさっているんですよね。
私も頑張って、普通の毎日を送ります。

yunさん / 2011/03/15(Tue) /

編集

出来ること

> yunさん
できることをするしかないですよね。
それもただただ粛々と。
家の周りのスーパーからは完全に食べるものが消え始め、かなりさみしい状態になりはじめました。
これからが大切です。

サカキシンイチロウさん / 2011/03/15(Tue) /

編集

■ この記事のトラックバック

この記事にトラックバックする：

サカキノホトンブログ

[PR]

富山にて