羽田からでる空の旅。
今日の空は不思議に青い。
おそらく甲府の上あたり。
カメラを構えてパチリと撮ると、広角レンズというコトもあるのでしょうけど、地球が丸く写ってウットリ。
それにしても羽田にとまったJALの飛行機。
7割方の尾翼のマークが、鶴丸印に変わってた。
金縁の欠けた日の丸みたいなマークは、ずっと好きになれなかった。
海外にいた頃、日本からのお客様を迎えに飛行場にいって見つけた鶴丸マーク。
あぁ、日本の翼がガンバっている…、って、元気をもらった思い出がある。
いろいろ問題もあったのだろうけど、当時のJALは気品と誇りに満ちあふれていた。
当時の日本も同じく気品と誇りが溢れて、今の日本にはそれが無い。
なんとかしなくちゃいけないレベルに今のボクらはいるようで、だからこうしたかつての誇りを思い出させるマークが多分、必要なんだと思ったりする。
エプロンをでて滑走路へと向かうボクらに向かってゆっくり、手を振る整備の人たちに笑顔は果たしてあるんだろうか?って、思ってゆっくり手を振り返す。
ところでそうそう。
すっかりジャンボジェットの姿はなくなった。
目を皿のようにして飛行場のすみからすみまで見渡したけど、今朝の羽田にジャンボはなかった…、国際線のターミナルにもそれはなく、時代は変わるとシンミリします。
そして大分…、上天気。
飛行場について車で国東半島のほぼど真ん中にある、両子山という半島随一の高さを誇る山の中腹…、「両子河原座」というお店を尋ねる。
こんなところに飲食店がなんであるんだろうって思ってしまうほどに、周りに何にもない店…、車を降りた途端に一言「飲食店としては絶望的な場所ですね」って思わず言ってしまったほど。
けれどしばらくお店の中でボンヤリしてると、とあるコトに気がついてくる。
何にもないけど、深い緑とおいしい水には困らぬ場所。
この「何にもない」というコトが、このお店にとって一番の宝物なんだなぁ…、と。
古い民家の土間で食事をしているような、伸びやかにして豊かな空間。
しかもお店の真ん中にある、大きな窓の向こうには、まるで一幅の絵の如きうつくしき山の景色が広がっている。
窓の外には両子山。
その頂きにみるみるうちに霧がかかって、それがやがて雲となり、峰がすっぽり隠れてしまう。
山の天気はたちまち変わる。
ちょっと目を話した隙に雲がスッキリとれて緑の山頂あらわにうつくしい。
この窓の外の景色が、ココの一番ステキな商品。
何にもないってステキなこと…、都会に住んでいるとシンミリ、感じいる。
とは言え料理もシッカリしてます。
蕎麦が名物。
おいしい水で練ったそば粉を、おいしい水で茹でてキリッと〆て仕上げる。
サイドに大分名物の鶏天そえてスルンとタグって、ハフハフ味わう…、出汁のキッチリきいたタレのかえしの醤油が甘い九州風のモノ。
あぁ、なつかしい…、ふるさと近くの味がするって思ってニッコリ、味わった。
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食事をすませて、近所の自然をたのしむドライブ。
飛行場からたった20分。
坂道登ってたどり着く、そこはまるで秘境なムード。
国東半島というこの地域。
奈良時代からずっと続く、濃密にして厳かな仏教文化が息づく地域。
しかも単純な仏教文化というのでなくて、神道や原始的な山岳信仰が渾然一体となった原始的なる不思議をまとった土着な宗教。
どこか妖しく、どこか厳しく、魅力的なる仁王像がそこここにある。
シッカと両目を見開いて、両手、両足、体の筋肉すべてを使って暴れる山を鎮めんがため阿吽の像を人は作った。
…、のでしょうか。
由緒正しき仁王像にお目にかかろうと、お寺に来ます。
両子山の中腹にある両子寺にて。
ふっくらとした体つきにて、なんだか親近感も湧く(笑)。
この大分という地方…、ボクが生まれて育った愛媛の隣にあって、そういえば、昔週末旅行をしようと一番、頻繁に通ったところ。
フェリーに乗って別府や大分、そして国東半島をドライブしたのを思い出す。
最近、昔のコトをよく思い出すのって歳をとった証拠なのかなぁ…、昔がとてもなつかしく、そんな昔がこうして今でも思い出せるってそんな歳のとり方も悪くはないな思ったりする…、ノスタルジ。
[9回]
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