神保町は喫茶店の宝庫のひとつ。個性的な昔ながらの喫茶店の中でも、ひときわ独特な存在感があるのが「さぼうる」。
なんとココ。今年の4月15日にめでたく60周年を迎えるらしい。
昭和30年、1955年の創業で、なんとボクより5歳先輩。人間でいえば還暦というめでたい年で、そのめでたさにあやかる気持ちでお茶にする。
ちなみに「さぼうる」。風味や香りを意味する「Savor」からとった名前で、けれどたのしくさぼるにピッタリの、落ち着きのあるしつらえ、ステキ。
バナナジュースにしようか、それともイチゴジュースにしようかなぁ…。チーズドッグも旨いんだよな、と思いながらもやっぱりコーヒー。
ローストをしたピーナツが一緒にやってくるのだけれど、このピーナツの塩加減がよくってカリカリ、噛んでてたのしい。
しかも、ひさしぶりに飲んでみたら、酸味がおだやか。
昭和的なる喫茶店にしてはずいぶんマイルドで、喉の奥から戻ってくるようなエグミも無いのにビックリします。
ミルクを入れるとぽってりととした旨みが舌の上に残って味わい深く、齧ったナッツの香りや風味、油の旨みがコーヒーの風味に奥行く作ってくれる。
おいしいモノがやっぱり最後に勝利するのに違いない…、って思いもしました。
酸味が強い昭和な香りのコーヒーは、まさに「Savor」。味わい深い。
いつもニギヤカなココだけど、来週当たりはスンゴクにぎやかになるんだろうなぁって思ったりもした。さぁ、移動。
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期待以上においしいコーヒーに出会ってそれでちょっとゴキゲン。お土産買ってオフィスに行こうか…、と「柏水堂」へとやってくる。
そしたらなんと、3月末日で閉店してた。
今朝の朝食のコトといい、この3月はいろんなモノが終わった3月だったんだなぁ…、としんみりします。
派手ではないけど昔ながらをずっと守った典型的なる洋菓子店。
あのサバランも、バタークリームでプードル模した小さなケーキも2度と口には入らない。ケーキの甘みを引き立てる苦くて酸味の強いコーヒーも、もう飲めないんだと思うとスゴくさみしくなった。
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まさかあの店も終わっていたりはしないだろう…、と、それで近所の「エリカ」を覗く。
水道橋の駅近くに姉妹店のあった店。そちらの方は5年くらいになりますか…、休業貼り紙がでたままずっと休業中。
ここは今でもまだ健在で、今日もお店の中にはじぃさま、ばぁさまでにぎやかなること、ニッコリします。
スイスシャレー風の外観に、ゲルマン風のドッシリとしたインテリア。古ぼけてはいるけれど見事に磨かれ、愛着持って使い込まれた椅子やテーブル。
ホッとします。
あらかじめ甘く作ったアイスコーヒー。ほどよいサイズのグラスに入り、やさしい苦味とほどよき甘さで体にしみる。
おなじみさんたちなのでしょう。
昔話にみんな少年少女のごとし。昔話ばかりしてたら、もう先は長くないよ…、ってリーダー格のじぃさまいったら、男勝りのばぁちゃまが「もう十分生きたけどまだまだ死ぬのはもったいない。だってこんなにたのしんだもの」…、って。
そしたらみんな大笑い。
ボクらが歳をとったとき、どういう場所にこうして集まり昔話で笑えばいいのか。
そういう場所を作るのがもしかしたらボクの仕事なのかもしれない…、って思ったりした。さぁ、仕事。
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