前からどうにもこうにも行きたくて、しょうがなかったお店でランチ。
「白龍トマト館」というお店。
場所は大江戸線の新江古田駅の近くであります。
ボクの生活圏じゃないところ…、しかも仕事でいけるところでもなくけれどどうしてもいきたい理由。
昔、西新宿の十二社という場所に「白龍」っていう中国料理のお店があった。
トマト湯麺で有名な店。
古ぼけていて小さくて、決してキレイなお店じゃなかったけれど、そこのトマト湯麺は絶品で、なかなか他に似たモノもないオリジナル。
実はそこの近所に一時期住んでいて、その頃、かなりお世話になってた。
出前もしてくれたりしたのですよネ。
そこの近所のボクの部屋。
古いビルの屋上にある、プレハブみたいな小さな部屋でそこの窓から西新宿の空が見えてた。
暑い夏の日。
友人と二人でボクの部屋にて出前をとって、ショートパンツにランニング。
汗かきながらズルズルすすって、お腹を満たす。
うまいなぁ…、って言いながら、二人で互いの夢を語って水を飲む。
雲のように生きていきたい。
境目のない空をプカプカ泳ぐ、雲のように自由に生きていきたいんだ…、って。
そういう彼は、彼の父親の作った会社を手伝いながら、徐々に自由をなくしていって、結局、事故で逝っちゃった。
今でも夏の空に浮かんだ大きな雲をみると彼を思い出す。
それと一緒に、ハフハフ食べたトマト湯麺思い出し、無性に食べたくなるのです。
十二社のお店は地上げでなくなっちゃった。
その味そのまま受け継いで、できたお店がこのお店。
ショートパンツにポロシャツを着て、やってきました、感無量。
ガラスの箱のようなオシャレな店で1Fにはカウンターとオープンキッチン。
2Fにあがると居心地の良いテーブル席が几帳面に、キレイに並ぶ。
さっそくとった、トマト湯麺。
トマト以外にも具材がのった五目湯麺を選んでたのむ。
野菜と鶏のキレイなスープ。
濁りがなくてまるで白湯(サユ)。
塩に野菜の甘味が混じり、鶏のうま味がそれをやさしく支えてる。
一口目にはそれがちょっとたよりなく、けれど食べてるうちにいろんな味がそこに溶け込む。
例えばトマト。
酸味と甘味がスープに混じってサワヤカにする。
例えば豚の角煮の煮汁。
醤油のコクと豚の脂がトロンと混じり、コッテリとしたコクになる。
そもそもココの麺は繊細。
灌水つかわず見た目は冷や麦みたいに真っ直ぐ。
小麦の匂いがフワンと香る麺そのものの風味を味わいたくなる麺で、そのやさしを邪魔しない。
ムチムチしててかなり歯ごたえある麺でもあって、最初は固め。
それがどんどんやわらかになる。
けれど決してのびるのでなく、ヌルンと喉ごし良くなっていく、楽しい麺でボクは好き。
半分食べたらテーブルの上に用意されてるニンニク醤油のタレを注いで、味を変えてズルズルごくりん…、かつての食べ方、なつかしい。
夜は麺と一品料理のたのしいお店。
創作料理とまではいかない、アイディア料理がたくさん揃う。
けれど、昼には気軽な定食。
土曜日にもランチメニューが食べられるのがうれしい限り。
中でも人気があるのが「豚ロースカリカリ揚げ定食」という一品。
いわゆる排骨。
香港なんかの食堂でこれを乗っけた丼や、あるいは麺にのっけた排骨麺が定番中の定番のコレ。
コレにご飯にスープ。
それからおかずが3種類で定食となす。
たのんでみんなでシェアします。
薄切りの豚ロース肉に下味をいれ、片栗ベースの衣をつける。
サクッと揚げると、表面サクサク、中しっとりな豚の唐揚げができあがる。
それを三枚。
まるでミルフィーユみたいにもって、自家製豆板醤をぬりつつ食べるというモノで、ご飯がすすんですすんでしょうがない。
豆腐にごまの油で煎ったジャコをのっけたモノや、中華スープで煮込んだ、厚切り大根にジャージャー麺にのっけるような味噌をたっぷりのせたモノ。
サイドの料理もご飯がすすむ、たしかな味付け。
中でもおいしく食べたのが、瓜の漬物。
薄切りにした瓜の実とキュウリにミョウガ。
それに塩もみしたスダチをあわせて揉んで浅漬にしたの。
パリパリとした瓜の食感、スダチやミョウガが和風ハーブのような役割。
特にスダチが、たのしい苦味を発しておいしい。
蒸し暑い、今日のような夏の日にピッタリはまるオゴチソウ。
ココの煮豚はおいしく、名物。
醤油のコクと豚自体がもつ脂のうま味で煮こめば煮こむほど、どんどんおいしくなっていく。
それを使った料理をひとつ。
玉子とキクラゲ。
それに豚の煮たモノをぶつ切りにしてザザッと炒める。
普通、豚ばら肉を薄切りにしてそれで作るレシピなんだけど、煮豚でつくると歯ごたえたしかで玉子のフワフワした食感と、相性がよく、おいしく感じる。
それからサイドの人気モノ。
エビ揚げ春巻きをたのんでご飯のお供にします。
サクッと揚がった断面を見ると一目でわかるように、才巻海老を丸ごと3本。
大場と一緒に皮でくるんで、サクッと揚げた贅沢春巻。
パリパリとした皮の歯ごたえ、ムチュンと歯切れるエビの食感、それから大葉が香りを添える。
ココの料理は何を食べても味わい確か…、しかもやさしい味がする。
またまいりましょう…、今度は夜にとそう思う。
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