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2024/11/24 (Sun)
映画にそれからギャラリーの昼
映画を観ます。
北欧出身にして単館上映というかなりマイナーな映画を一本。
「ボクのエリ・200歳の少女」
という題名でヴァンパイアを主人公として描いた映画。
人の形をしながら人ではない、けれど人の心を十分に理解することができる存在。
永遠の命をもち、つまり永遠の退屈に堪えなくてはならぬという宿命を背負った呪わしい彼らのコトが、どうにもこうにも好きでして…。
だからヴァンパイア映画と言えば必ず見なくちゃ気がすまない。
彼らの映画には2種類あって、ただただ人の血を吸うことに執着するどん欲な吸血魔と人間の闘いの物語というのがその一つ。
その一方で、人を愛してしまうコトから新たな悲劇が生まれるという切ない物語として描かれる映画もかなりあり、ボクは後者に胸かきむしられる。
ジュードローが主演していた
「クロコダイルの涙」
なんて、もう切なくて、切なくて。
で、この映画。
ヴァンパイア役が12歳で成長を止めてしまった少女という設定が見事なところ。
その彼女を愛する同じく12歳の少年が、学校の中でいじめにあい両親からも拒絶され、つまり人ではあるけれど人から受け容れられることがない存在として描かれている。
受け容れられるコトのないモノ同士の愛。
残酷にしてうつくしい、ヴァンパイア映画の典型的に、かなりガツンとやられます。
金髪の美少年と巻き毛の美少女の禁断の恋…、となればそれはまさしく、萩尾望都的世界であって、全編、少女漫画を実写にしたらこうなるんじゃないかってほどの、嘆美な映像世界にウットリさせてくれたりもいたします。
機会があれば、是非の一本。
オキニイリ。
それから少々、移動をし、神保町の町外れにて開催されている催しをみる。
「
あすなひろし
」さんていう漫画家の回顧展。
実はボクが少年の頃、漫画を読むことはかなり厳しく禁じられてた。
両親が極めて保守的な人たちでして、漫画は人をバカにするもの…、とずっと信じて買ってもくれず、家に持ち込むコトも許されなかった。
だから時折、いとこの家に行くと転がっている漫画を読むのが背徳的なたのしみだった。
少年誌。
少女漫画誌どちらもあって、なぜだかボクは少女漫画の方が好きで良く読んでいた。
当時。
1970年初頭のコトですか…、少年漫画のほとんどはナンセンスなギャグ漫画かあるいは暴力的なるつまり単純なストーリー。
それにくらべて、少女漫画の心理描写のこまやかさ。
王朝物語から学園モノまで多様な設定の中で繰り広げられるドロドロとした愛憎劇が大好きで、のめり込んだモノでした。
ところがある日、少年漫画の中にちょっと特異な作品発見。
うつくしき絵で淡々と描かれる、叙情的な物語。
何かを解決する手段を、暴力の中にしか見いだせない番長ですら、夏の気配に目を細めるという、不思議にやさしい感情表現。
おもしろいぞ…、って思ったいくつかの作品が、この「あすなひろし」のモノであったという、そのなつかしさにやってくる。
天才と呼ばれた人の作品を、間近にみつめるそのシアワセにしたたか興奮いたします。
[0回]
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2010/07/10 (Sat)
映画・音楽・アート
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