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2024/11/25 (Mon)
夏の終わりの「穴子屋」の昼
昼、前から気になっていてそれでもなかなか来る機会に恵まれなかった、
九段下にあるとあるお店
を覗きに来ます。
日本料理は季節の料理。
旬の素材をいかにおいしく食べてもらうか…、というその一点に調理人は注力をする。
とはいえ、旬の素材にこだわると年中同じ食材を相手に料理を作るということがむつかしくなる。
たとえば河豚の専門店のほとんどが、夏場は鶏の水炊きを売る。
あるいは夏場、休業してしまうところもあるほどで、でもほとんどが季節ごとにメインの素材を変えることで一年通した営業をする。
ならば季節ごとにお店のコンセプトを変えちゃえばいいじゃない…、って思った、とても真っ当だけど冒険心の旺盛な人がへんてこりんなお店を作った。
それがココ。
「かわな」って一年通した名前はある。
けれど正式名称は、春は「鯛屋かわな」、夏は「穴子屋かわな」、秋は「いくら屋」、冬は「あんこう屋」と1年4回変わってく。
苗字が同じで名前違いの兄弟みたいなおもしろさ。
店先にあるのれんや店のしつらえも、季節のごとに変えられて、当然料理も季節の素材だけを使ったものになる。
超専門店。
おもしろい。
ランチのメニューはお茶漬け、穴子の柳川にお重の3種。
他にも穴子づくしのコース料理もありはするけど、ココは一番人気だって言う「あなごのお重」をもらうことにする。
甘辛く煮込んだ穴子を焼いてご飯にのっける。
お重一杯。
ご飯の上にギッシリ二切れ、穴子が蓋する見事な景色。
お箸をそっと穴子に当てて力をいれると、ムチッとしたたか抵抗感。
その頑丈に負けずに押すと一転、スパっと呆気ないほどきれいに切れる。
ご飯と一緒に持ち上げて、口に運ぶと…。
あら、旨い。
ネットリとしたネバネバ魚独特の脂の食感。
中はふっくら、ふんわりで、しかもこんがり。
焼けあがったばかりの証の香ばしさ。
鰻は関西風にパリッと焼けてる方が好き。
東京風の蒸して蒸してまるで鰻のムースのようになったフンワリはちと苦手。
けれど穴子のこのフンワリには無条件で降伏しちゃう。
ここの穴子重。
もしかしたらばボクの中にてナンバーワンの穴子重…、かも。
固めのご飯もまた好み。
おもしろいのがココのランチにはこれがつく。
穴子のトースト。
穴子がおいしく焼けるまでの時間をこれでたのしんで…、って感じのお通し感覚のコレ。
薄切りバゲットにバターを塗って、そこにたっぷり、穴子のリエットを乗っけて焼いたオリジナル。
ムッチリとした穴子のリエット。
そこに甘辛の蒲焼きのタレがツツっとかかって、食べるとこれがなかなかおいしい。
ちょうど鶏レバーのムースを塗ったトーストにバルサミコ酢を煮詰めたソースをかけたトースト。
…、みたいな感じで、ああ、スキッと冷えたシャブリを一杯、コレで飲めたらシアワセだなぁ…、ってそんなコトを思ったりする。
気のきいたたのしい一品、いいお店。
ところで穴子屋としての営業はなんと今週一杯で今年はおしまい。
来週からは「いくら屋」として営業開始することになる。
またこなくっちゃ…、ってそう思う。
次の仕事までにちょっと時間がぽっかり開いて、それで近所の「東京大神宮」にくる。
伊勢神宮の東京分社という由緒正しい神社さん。
日本で初めて「神前結婚式」をしたのがここということで、最近、縁結びの神様として人気が出ているんだという。
たしかに今日。
平日の昼間というのに女性の参拝客が次々きては一生懸命、お参りしていく。
特にアラフォーお嬢様たちのとても真剣な表情と、フリーズしてしまったのかと思うほどに入念で長時間なお参りに、なんだか胸が詰まるよう。
色恋ごとばかりでなくて、仕事も生きていくコトもすべて縁に恵まれなくては前に進んでいきはせぬ。
二礼二拍手、頭を垂れてお願いし柏手ひとつで締めくくる。
すばらしき縁に恵まれますこと、お願いします。
さて、仕事。
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2009/10/15 (Thu)
日記 : 日本の料理
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