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2024/11/25 (Mon)
ボーリージャー
天気が良い。
抜けるような青い空にほどよい日差し。
散歩しながら遠出して、あたらしい店を探してみよう…、って思って白山近くのレストランを検索する。
結構、気になるお店があってけれど何故だかそのことごとくが月曜定休。
うーん、残念。
住宅地としての性格濃厚なこの地域。
土曜、日曜は稼ぎ時…、ということなんでしょう。
千石から白山抜けて駒込方面。
住宅地特有の袋小路ばかりの道をたのしく迷って、やっとのことで本郷通りに出た目の前になんたる偶然。
ずっと気になっていたお店がなんと、こつ然と目の前に姿をあらわす。
「玻璃常」とかき、ボーリージャー。
トゥーランドットの脇屋さんのところで修行した人が、もう10年近くも前に独立し作ったお店。
開店直後に何度か来たことがあったっきりで、ずっとご無沙汰。
出来た当時は1F部分が全部厨房。
その厨房を見下ろしながらガラスの階段で二階のホールに上がってく…、っていうかなりお洒落な高級レストラン的しつらえだった。
久しぶりの今日。
一階の厨房前がテイクアウト用のカウンターになっていて、料理がズラっと並んでる。
それを選んでお弁当にしてもらえるという、デリレストランみたいになってた。
カウンター奥に階段が出来、二階にあがるとこじんまりした客席ホール。
紆余曲折にて、進化したのでありましょう。
ランチは気軽な値段のものが中心で、中でも中国風の季節の丼が売り物ってこと。
チャイニーズチキンライスっていうのが今のメインでためす。
白いお皿にこんもりご飯。
ご飯の上には茹でたモヤシにほうれん草。
タップリ山盛りの生の水菜の下に見え隠れするのが鶏肉。
目に鮮やかなうつくしい皿。
中国料理に見えぬ盛りつけ。
けれど、しょうゆ漬けした蒸し鶏というこの料理は台湾あたりのランチ弁当の定番中の定番おかず。
本格的な本物をちょっとひねって提供するという、遊び心がかなり好き。
フランス料理のビストロランチみたいなお洒落を、ガサっと崩すと葉っぱの下から鶏の切り身がゴロっと出てくる。
台湾ならば、骨付き鶏をぶった切って使うところ。
ココは少々、お洒落にそして食べ易く、骨抜き鶏を蒸して醤油に浸けたもの。
シットリしてて、しかもムッチリ。
口に入れると舌の水分をほんの少しだけ吸い取るような、バッサリとした鶏の蒸し身がおいしいスポンジのようになる。
それがおいしい。
八角の香りがほんのりやってきて、まごうことなきコレは中国料理なんだ…、って納得をする。
中国醤油の味の他には、ほのかに香るスパイスと紹興酒らしき旨味が残る、ただそれだけで、つまりおいしい味の本体はまさに鶏。
鶏のもってる濃厚で、あとをひくようなコクある旨味が口一杯に広がっていく。
皮もフルンと、脂をほとんど無くしてまるで湯葉のような食感でよし。
ソースが付きます。
あらかじめ鶏そのものに濃厚な味がついている。
その味わいで、ご飯や野菜を食べることもできはする。
けれどそれでも味の変化が欲しくなる。
人の舌とは飽きっぽくってわがままにできているものではございますゆえ、こうした工夫。
ありがたい。
しかもソースが絶品で、トーチのコク。
味噌の甘味にスープベースの旨味がひとつに溶け合って、そこに胡椒のビリリとたのしい辛味と風味。
水菜にかけると、シャクシャク菜っ葉が吐き出した水気と混じってまるでサラダのようになっていく。
ご飯にかけると、タレかけご飯。
ソースだけにてご飯お替わりできそうな、危険なおいしさ。
堪能す。
今日の点心。
餃子を追加で注文してみる。
日本風でない焼き餃子。
いわゆる「鍋貼」。
前の日作った水餃子を、冷やしておいて、それを翌日焼いて食べた…、というそのやり方で、ガッシリしてる。
皮がムッチリ分厚くて、油を含んで半ば揚がったようになってる。
包んだあんの肉の旨味が皮がほとんど受け止めて、皮まで肉の味がするタレ要らずににておいしい点心。
嫌いじゃないなぁ…。
日本式のプルプルでジューシーなものを想像すると期待はずれになっちゃうけれど、「皮を味わう」点心だって思えばこれもまたご馳走。
お弁当にはいいんだろうなぁ…、って思って食べる。
これもよし。
一緒に行った人がたのんだ焼きそば。
いわゆるあんかけ焼きそばで、ビックリするほどの具沢山。
しめじに白菜、しいたけ、ニンジン。
ヤングコーンや青梗菜と、具だけをみればまるで野菜炒めのようで、そこに少々。
カリッと焼けたそばが混じっている状態。
これに餃子にご飯がついて、つまりご飯のおかずにもなる焼きそばってこと。
これはこれでまた面白い。
塩とスープで整えた、素直できれいな味も見事で納得す。
そういえばココ。
出来た当初は何種類ものスープが揃って、それを選べるコース料理…、っていうのが目玉だったはず。
竹筒にスープを入れて、具材を沈め、紙で蓋してせいろで蒸して熱々を出す。
汁が大好きな日本人にはとってもうれしい特徴だなぁ…、って思っていたけどそれでお客様を呼ぶのはちょっと難しかったのでありましょう。
今では一種類しかないスープ。
けれど味は見事で上等。
なんだかちょっと、ホットする。
デザートに杏仁豆腐までついてくる。
杏仁スープの中に豆腐。
それも二種類。
一つはスベスベ、ハリのあるゼリーのような食感のモノ。
一つはムッチリ、粘り気のあるパンナコッタみたいなもので、その二種類が渾然一体、混じりあいつつ口の中にやってくる。
舌をなで回すような濃厚さ。
スッキリとした溶けゴコチ。
その両方を味わうことができる贅沢。
脇屋さんち直伝の、食後のごちそうまでたのしめてそれで1000円ちょっとという、この気軽さにウットリとなる。
目的持たずの散歩もたのし。
両手を振って、会社に戻ってさて仕事。
[0回]
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2009/09/14 (Mon)
日記 : アジアの料理
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支那虎
ポリージャーまで、いらしたのですね!南北線・東大前のこの店をご紹介しないわけにいきませんね。ここも「藪蔦」系の“選択拒否オーラ”がそこはかとなく漂っております。が、私が中学生の頃にはすでに営業していましたので、ここもやはり40年にわたり、不味そうオーラを発散(笑)し続けているわけです。さて、召し上がっていただきたいのは“野菜つけめん”一本!!が、量が多いので、一日分(二日分?)の野菜が一度にとれてしまいます。しかし、この魚介系のスープのうまさは、いったいナゼ?不思議な後味であります。
るいこすたさん / 2009/09/14(Mon) /
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1キロ圏を超えて
> るいこすたさん
もう事務所から1キロ圏を超えるのが当たり前になっちゃいました(笑)。
東大前。
この辺りはなんだかへんてこりんなオーラを放つお店の宝庫…、と前から注目している場所でありまして、こうした情報をいただけるとなんだか闘志がフツフツと湧いてくるような気がします。
野菜不足を感じたときには、ぜひ、と思いました。
毎度、ありがとうございます。
サカキシンイチロウさん / 2009/09/14(Mon) /
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