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2024/11/27 (Wed)
ホリデーチキンのMの夜
ひと足早いクリスマスディナー。
牛込柳町の
「レストランM」
で行う。
肉がおいしい。
肉そのものがおいしいだけでなく、肉のおいしい食べ方に徹底的にこだわってメニュー作りを行っている。
イベリコ豚。
それもスペインからこの店にくるまで、一度も凍ったことがない希少な豚をかたまりのまま、炭で焼く。
直火の遠火で時間をかけて、それが焼き上がるまでをたのしむというその提案が徐々に定着しはじめている。
でも今日はクリスマス。
同じように、鶏を丸ごとやいてくれませんか?って、無理を言って作ってもらった。
メニューにはないんだけれど、ワガママいって。
厨房の中をすみずみ眺めるコトができる、カウンターの席をもらって座ります。
カヴァをもらって、まず乾杯。
グラスの中をユッタリ泡が上がって行くのを眺めつつ、料理ができる光景みるのがなんとも贅沢。
今日、ご用意した鶏がコレです…、と、今日のメインのご尊顔を拝見いたす。
全長40センチほどの立派な鶏肉。
ツヤツヤ、健康的な肌の色艶。
これがこれから焼けていくんだ…、とワクワク、気持ちが上がってく。
オーブンの中に放りこみ、焼きあがっていくさまがガラス戸越しにみえているのがますますたのしく、目が釘付けになっていく。
こんがりキレイに焼き上がるには1時間ほどかかりますので、とたのしい時間を料理をあれこれつまみながら待つ…、なんともシアワセ。
まずは野菜。
氷をギッシリ敷きつめたグラスにニンジン、ラディッシュ、ナスに大根。
クリームチーズやガーリック塩で味をととのえながら食べるという趣向。
けれど野菜そのものに力があって、そのまま食べて十分おいしい。
根菜類はコリっと歯ごたえたのしくて、ナスはサクッとはぎれて甘い。
なによりシャキッと冷やされていて、料理って温度が大切なんだなぁ…、って思ったりする。
ディップはそのままお箸でつまんで、お酒のあてにして食べた。
それからココット。
試食のときは蕪のクリーム煮込みだったんだけど今日は特別。
イベリコ豚を煮込んだモノと、ブロッコリをイベリコ豚のスープと一緒にココットに入れ鉄板の上で沸騰させる。
ホイップさせたクリームをどっさりのっけて蓋をして、圧力かけて仕上げたモノ。
熱いですよと運ばれて、蓋をあけると冷たい空気にふれて一気にグツグツ、噴き出す。
フウフウしながらスープを飲むと、お肉のコクが口に広がる。
極め細やかなイベリコ豚がクチャっと潰れる。
お腹がホッとあったかくなり、お腹がググッとすいてくる。
冬のゴチソウ、ムール貝。
ワインで蒸して貝が口を開いたところで、そこにクリーム。
バターを加えて味をととのえ、スプーンで鍋の中身を上下にユックリ、やさしくまぜる。
おいしい貝のジュースとクリーム。
それを貝にまんべんなく行き渡るように、揺すって、お皿に盛るって、さぁ、どうぞ。
ほどよく形の揃った貝。
身は見事なほどぷっくりしてて、分厚くプルプル。
貝殻自体がとても頑丈、健康的に育った貝って見た目がまずはおいしく見える。
二枚貝をそのまま握り、それをトングの代わりにし身をはずしながら口に運ぶと、プルンとまずはその触感がとてもおいしい。
身のひとつひとつをしげしげみると、まるで唇。
ぷっくらとした唇が、口の中に入ってき舌にキスする、そんな感じが色っぽい。
貝殻をぺきっと一枚はずしてそれでスープをすくう。
貝のうま味とバター、クリームのコクが口に広がっていく、もうそれだけでひとつの料理。
ガーリックトーストをスープに浸して、シットリしたのを口に運ぶと、フルんと舌を濡らして消える。
海のうま味に身悶える。
料理を次々平らげながら、オーブンの中の様子がやっぱり気になる。
見るたび徐々に、鶏が茶色に色づいていく。
まるで日焼けをするように、コンガリ焼けていくさまに、もう喉が鳴る。
ほどよく焼けた頃合いで、一度取り出し、串を手に、グサッとモモに差し込んでススッと抜くと、透き通ったきれいな肉汁がプシュッと出てくる。
しばらくそれをやすませて、再びオーブンに放り込む。
皮をパリッと焼きあげるため。
何度もドアを開けながら、鶏の状態見ながら焼いてく。
開くたび焼けた鶏の匂いが外に流れだす。
今すぐ食べたい衝動を我慢しながら待ってると、何度目かに匂いと共に脂がビチビチ爆ぜるような音が一緒にやってくる。
焼けた合図のおいしい音で、自分の脂で自分がまるで揚がったようにやけている。
紐を切り、身の表面の何ヶ所かにナイフをササッと入れてお皿に盛ってくる。
ローストチキン。
それも丸ごと一羽がそのまま目の前に。
あこがれのクリスマスってこんな景色のクリスマス。
肉切りナイフにトングをもらって、自分でザクザク解体します。
ナイフを入れるとスパッと胸肉が塊になり、ボロッと切れて切り身になってく。
それをお皿に移して食べる。
お皿の上にはローストオニオンとマッシュポテト、ボナペッティ。
なんと美味しい。
塩とハーブとお腹の中に詰めたニンニク。
ただそれだけで十分おいしく、何がステキってパーツによってまるで味が違って感じる。
例えば胸は、ムッチリとして噛むとネトっとなめらかで身の美味しさが際立っている。
ところがモモ。
ゼラチン質をタップリ含んだシットリとした身質で、噛むとジュワッと肉汁タップリ。
手羽はフックラ、骨の回りのブルンと歯ごたえたのしい肉のうま味強烈。
軟骨だったり、背骨をグルンと取り囲んでるちょっと赤目の肉がネッチリ。
場所が変わると香り、風味に食感までもが全然違って感じられ、たった一羽のグリルがまるで何種類もの料理を食べてるみたいな感じを作ってくれる。
なにより皮が、パリッとしてるのに口に入れるとシットリしてくる。
これほどおいしい鶏の食べ方って、他にはないかなぁ…、って思ってしまう。
二人で一羽。
骨以外はほとんど残さず平らげる…、かなりの満足、堪能す。
食後にちょっと〆ますか?と、それでリゾット。
目の前で、生米つかって炊き上げる。
その手際よいシェフの手元をじっと見てるとトリュフを刻んでいるとこ見える。
あぁ、ウレシイ。
トリュフのリゾットが食べられるって思ってしばらく待ってコレ。
蓋した器がやってきて、蓋をとったら中にスライスしたトリュフ。
てっきりリゾットに細かく刻んだトリュフが入っているばかりと思っていたら、それに加えてスライストリュフ。
思わず「メリークリスマス」って声があがった。
森の中で深呼吸するような風味のトリュフの味わい、その香り。
口に入れると、ザクッと歯切れるそのゴージャスな食感と、今日の食事を締めくくるのに十分過ぎる、オゴチソウ。
チーズプレートをいただいて、それと一緒にドライフルーツ。
樹の枝付きのぶどうで作ったレーズンに、天日でほして作った干し柿。
ウォッシュに青カビ、酸味さわやかな三種のチーズと一緒に食べて、ワインを飲み干す。
それからデザート。
いちごのパフェが〆の〆。
甘さ、酸味がほどよくバランスとれたイチゴと、そのイチゴを使って作ったコンポート。
それに甘いミルクジェラート。
まるでコンデンスミルクをそのままアイスクリームにしたような、そのジェラートでイチゴを食べると、口の中でいちごみるくになっていく。
クリスマスといえばやっぱりイチゴ。
なんだかニッコリ。
お腹いっぱい、夢ごこち。
おいしい料理。
それが作られる臨場感と、たのしい会話。
ひとつひとつが今日のボクらのためにできてる、その特別感。
お店に入って座ってから、ずっとボクらは笑顔のまんま。
頭に浮かぶすべてのコトが前向きで、シアワセのコトという今日の夜。
すばらしい料理がもってるパワーを感じて、そのおいしさに癒され元気をもらった今年のクリスマス…、なんてシアワセ、ありがとう。
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2010/12/24 (Fri)
丸の内リム:洋
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無題
丸焼き、美味しそうです(@ ̄ρ ̄@)
2人で一羽なんて、贅沢な幸せデスね!
このお店、やっぱり素敵なお店ですo(^▽^)o
lovekuma69さん / 2010/12/24(Fri) /
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黙々と
> lovekuma69さん
蟹を食べるより、無言でした…、昨日のチキン。
無言でありながら、シアワセ一杯、そのたのしさを噛み締めるような店。
いいお店です!
サカキシンイチロウさん / 2010/12/24(Fri) /
編集
ため息ばかり
ああ、こんがり艶やかに焼かれたローストチキン!魅惑的ですね~。朝からため息ものです。
それにもましてムール貝のおいしそうなこと!(≧∇≦)
あー、食べたい。二個三個とかじゃなくて、た~っぷり(^O^)
setsunaさん / 2010/12/24(Fri) /
編集
タップリ
> setsunaさん
いろんなモノをちょっとづつ…、っていうのもいいですが、好きなモノをタップリっていう食事もいいですよね。
一人20個ほどもいただきましたか…、ムール貝。
それでも食べたりなさを感じてしまったほどでした。
サカキシンイチロウさん / 2010/12/24(Fri) /
編集
無題
ムール貝は、マンハッタンのベルギー料理屋さんで頂いたことがあります。ムール貝とともに楽しかったテーブルのことを思い出しました。一緒に食べたあの人に連絡してみよう。
キョーコさん / 2010/12/25(Sat) /
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ボクも
> キョーコさん
なんて奇遇なんでしょうね。
ボクもマンハッタンのソーホーにあるベルギー料理店で、バケツいっぱいのムール貝をフリッツと一緒に食べた日のことを思い出したんです。
こうした料理は仲の良い人たちと一緒にたべるのがうれしいですよね。
サカキシンイチロウさん / 2010/12/26(Sun) /
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Kではじまるクリクリの朝
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