新宿で昼を食べようと「響」に来ます。
バブルまっただ中にできた高級飲食店ばかりを集めたビルの最上階。
「ダイナミックキッチン&バー」という当時はやった無国籍料理が作られるオープンキッチンをドンっと真ん中にしつらえて、夜はお酒もたのしめる。
有名デザイナーが店を作ったというコトもあり、業界の人たちの注目もかなり集めて「大人の集まるお店」としての認知も結構高かった。
バブルも終わり「大人の気取った空間」としての役割はほぼ終えたのかもしれません。
特に昼間はおばさま御用達系のレストランとして生まれ変わって、週末の今日も半分ほどのお客様が小さな子供連れのファミリー客というのにビックリ。
使い勝手のいい板張りのお座敷風の客席があるというコトもあるのでしょうね。
それと同時に、もしかしたら景気が徐々に良くなり始めているのかなぁ…。
夜の外食はさすがに贅沢。
けれど週末の昼にちょっと気取ったところで外食を…、って、ニーズがそろそろ力強さを得ているのかも。
だったらいいな…、と思う今日。
かつて大人の男女がキッチンをみながらカクテル傾けたカウンターが、今ではバフェのカウンター。
メインディッシュをひとつ選んで、それは出来立てが厨房の中からやってくる。
そういう趣向で、そんなところも使い勝手のいいところ。
今日のメインは琉球丼をたのんでみます。
大分地方の郷土料理。
脂ののったブリのお造り。
それをタレに漬け込んで飴色になった頃合いで、ご飯に乗っけて味わうという今の季節においしいゴチソウ。
ネットリとしたブリの切り身が、パラパラご飯と一緒になって口の中でうま味に変わる。
錦糸卵とネギに大葉、海苔に胡麻とそれぞれ味わい違った薬味が、味わい豊かにしてくれて、あっという間にお腹の中におさまっていく。
一緒に行った人がたのんだメインは唐揚げ。
今のはやりに便乗してでしょう。
塩麹味の鶏唐揚げというのが売り物。
実はこの塩麹。
何度か使って料理を作ってみたのだけれど、今ひとつ、ピンとこないというか、どうおいしいのだからわからない。
今日の唐揚げもこんなモノでありましょう。
サックリ歯切れて中はシットリ、ほどよき味わい。
付け合せとしてついてきていた、茹でたキャベツの塩ダレ和えがおいしくって、それがメインでもいいかと感じる(笑)。
味噌汁、それからご飯と漬物で一揃え。
バフェの料理は8種類ほどで決してバリエーションは多くない。
その分、ひとつひとつがシッカリしてて、特にかき揚げ。
油切れのよい衣がサックリ。
玉ねぎ、ニンジン、桜えびと具材が口で散らかる感じがなかなかに良い。
切り干し大根に茶碗蒸し…、こうした普通の家庭料理が当たり前においしいというのがウレシイのってオジサンだけじゃなくって女性も同じコト?
あんまり家では作って食べない料理なんでしょう…、隣の奥様グループがニコニコしながら「こういう料理って作ってあげても子供も亭主も喜ばないの」って。
家庭料理の定義がどんどん変わり始めているんだろうな…、って思ったりした。
しゃぶしゃぶコーナーっていうのがバフェに設えられてて、そこで一番おいしいって思ってお替りしたのがお揚げ。
刻んだお揚げを出汁の中で泳がせ熱を通したところに、ポン酢を注いでハフっと食べるとやさしい滋養が体にみなぎり、お腹がポカッとあたたかくなる。
ほどよき満足…、なにより新宿という街にもこんなにたくさんの小さな子どもがやってくるんだってそのニギヤカにうっとりしました、オモシロイ。
ちなみにこのビル、間もなく地下にミニシアターがオープンする。
外食だけではビルの一本が埋まらなくなってしまった…、今はそんな時代なのかって思いもしました、感慨深い昼のコト。
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