朝をちょっとナツカシイ店…、淡路町にあるハッピーアベニューっていうカフェにくる。
御茶ノ水でもなく、秋葉原でもなく、神田でもなく、でもそれらそれぞれの街から徒歩でやってこられるかつては陸の孤島のような…。
だからこの街だけは昭和な風情の老舗飲食店がずっとひっそり残ってた。
大きなビルがないのが街のおだやかな風情を作り出していた…、のだけれど、今、超高層ビルを中心とした再開発が行われてて街の風情が随分変わった。
「WATERASS」って名前の高級マンションができるようで、それができたら随分ココも環境が変わるんだろうなぁ…、そこに移り住んでくる人たちを目当てにもう新しいお店ができはじめていて、そうしたお店はみんなギラギラ看板でなんだか切なくなっちゃった。
まぁ、そんな愚痴をいまさらいってもしょうがない。
気持ちを明るくハッピーに!
スクランブルエッグのモーニングセットをもらう。
食器がちょっと変わりましたか…。
大きな丸いお皿の上にサラダにトースト、ハムにスクランブルエッグがキレイにのびのびと配置されてて、ゴチソウ感をいやが上にも盛り上げる。
ココのスクランブルエッグは、うっとりするほどうつくしい。
ツヤツヤ、シットリ色っぽくけれどシッカリ火が入ってて生っぽくない。
フライパンの中で溶かしたバターを、おりこむようにして焼いていく。
あまりさわらず、散らさずばらさず、熱がはいってかたまりそうになった玉子をよりそわせ、玉子の水分をはきださせぬよう仕上げて作る。
だから玉子がバターをたっぷり吸い込み、塩の加減も見事で絶妙。
ケチャップなんて必要とせぬ、自然なうま味をニッコリ味わう。
「世界で一番おいしいスクランブルエッグ」っていうのが売り物の舶来カフェもあるけれど、ワザワザそんなとこまでいって長い時間を待たなくても、世界で一番おいしいクラスのスクランブルエッグがこんな身近にあるっていうこと。
なんともステキでウットリします。
それからトースト。
トーストっていうのはこうでなくちゃ、と思わず襟を正してしまいそうな出来栄え。
薄い…、しかも生地そのものが粗めで軽く仕上がっている。
それをガリッと。
焦げる寸前まで火を通し、かなり強めのこげ色になる。
そこにバターをポッテリおいた。
全体に塗り込めるのでなく、刷毛で絵の具を置くようにバター色の模様がついているように。
だから自分でトーストに塗り込めるのもよしバターの付いているところや付いてないそのままのとこを味わい比べることのできる。
ナイフでササッと塗るときに、カサカサ乾いた音と一緒に細かなパン粉が、お皿に散って汚れていくのがまたオゴチソウ。
ザクッと前歯でパンが歯切れて、口に甘くて焦げた香りが広がりお腹の中になだれこむ。
あぁ、朝が来た!ってお腹が喜ぶ朝のゴチソウ。
サラダに豆腐とアルファルファ。
80年代のフラワー・チルドレン風の健康サラダで豆腐がカテージチーズのようにみえるところがなんともステキ。
食事をしてたら続々、多分、近所の商店のご主人たちでありましょう。
お店に集まり、あれやこれやと世間話に仕事の話。
開店準備をする前に、ココでお茶を飲むのが日課のようになっているのに違いない…、昭和の時代にはこうした景色がいろんなところでみることができ、今ではすっかり珍しくなる。
こんなところもこの街は、昔の佳き日を守ってる…、次来る時も、いつまでもこんな空気をありますようにと祈る気持ちで、さぁ、仕事。
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