昼を事務所の近所にて…。
水道橋の「とんがらし」という立ち食いうどんの小さなお店。
東京のB級グルメを愛する人達の間でかなり有名な店。
しかもうどんやそばで有名じゃなく、「天ぷら屋」として有名な店で、ワザワザ遠くからここを目当てにやってくる人もいるほどの繁盛店。
かく言うボクも、同じ水道橋に長い間、働いていながらココとオフィスは駅を挟んでまるで反対。
歩くと10分以上かかる、だからあんまり来ない店でありましたのに…。
今度の事務所は目と鼻の先。
なんだかココに惹かれてやってきたような、そんな気持ちになりさえもする。
暖簾をくぐるともう店の中。
10人ほども入るともう一杯になりそうな小さな客席の向こうにはすぐ厨房がある。
かなり大きな厨房で、手前に麺を茹でるところ。
奥には天ぷら揚げるとこがあり、お店をやってるおじさん、おばさん。
おじさんの方は奥で天ぷらをひたすら揚げる。
注文をしてから揚げる。
だからちょっと時間がかかるが、お客様はみんな静かに自分の料理が出来上がるのを立って待つ。
おいしいモノにありつくのには、少々、我慢が必要なのです。
それをじっと笑顔で待つのが紳士というもの。
今日のお店は紳士ばっかり、みんな仲良く行列をする。
天ぷらがそろそろ上がりそうになると、奥からおじさんの声がします。
「そろそろ出来ます」と、その声聞いて、おばさんが、麺を湯槽にトプンと入れて、チャッチャと湯を切り丼に入れる。
そして出汁をかけまわし、ネギをいれたまさにそのタイミングにて、天ぷらあがってやってくる。
このタイミング。
このチームワークを何度みても、ウットリします。
しかもここのおじさん、おばさん、夫婦なのにずっと敬語で話し続ける。
それが聞いてて、気持よく、できた料理をおいしくさせる。
エビとイカの天ぷらの盛り合わせを具に選んで食べます。
分厚く、むっちりとした歯ごたえ見事なイカが2本。
親指大の小さいけれど、太ったエビが全部で6尾。
お店の中に貼られた札には「イカが2本に、エビが4尾」と書かれてるけど、いつも必ず1尾か2尾は多く入ってる。
しかもこのエビ、プチュンと歯ごたえたのしくて甘くておいしい。
普通、立ち食いそば屋のエビはもっと大きなエビを1本、2本と使う。
けれどそれだと大きさ揃えて仕入れるために、コストがかかる。
それがこうして不揃いで、普通、そば屋が使わぬサイズを使えば安く売れるという、よく考えたいい料理。
キレイな油で揚がりたて…、だから油が出汁に移って、コッテリ、コクがやってくる。
昆布のうま味と、かつお節の風味がシッカリとした濃厚な出汁。
旨いです。
甘さ控えめ、うま味がかなりドッシリしててうま味で甘みを補う作り。
後味スッキリしててゴクゴク、飲み干せるほどの、つまり上等。
ココで唯一、評判悪いのがうどんや蕎麦。
たしかにどちらもやわらかめ。
歯ごたえたのしむような麺ではなくって、それで遅い時間を狙って「2時から限定」の天丼ワザワザ食べにくる人がいるほどでして…。
けれどボクは、ココの紐革うどんが好き。
ペラペラとしたきしめん状で、けれどきしめんみたいにムチムチしていない。
スベスベ。
勢い良く吸い込むと、ベロベロ音を立てるほどにハリがあり、ツルンとすべるたのしい食感。
時間がたっても伸びないのもいい。
ゴクゴク、おいしい出汁を堪能しながらユックリ、麺に天ぷら、おいしく味わう。
午後の仕事の元気をもらって、さぁ、お仕事に戻ります。
関連ランキング:天ぷら | 水道橋駅、九段下駅、神保町駅
[0回]
PR