ロイヤルホストでひさしぶりの朝。
ここのパンケーキを食べてみたくなったのです。
かつてロイヤルホストは日本で一番おいしいパンケーキを作り続けるお店になろう…、と会社をあげてがんばっていた。
おやつとしてのホットケーキしかなかった時代。
食事の代わりになるパンケーキ。
アメリカのコーヒーショップの朝の香りは落としたばかりのコーヒーと、焼いたばかりのパンケーキ。
オレンジジュースの色が、甘い香りに花を添え、ウェイトレスの笑顔でキラキラ輝いていく。
そんなステキな朝を日本で再現したいと。
粉の選び方、生地の溶き方。
休ませ方に焼き方までを、徹底的にこだわっていた。
1980年代に日本でおいしいパンケーキを食べたければ、帝国ホテルのサイクルっていうコーヒーショップか、そうでなければロイヤルホスト。
そんなふうにさえ言われたゴチソウ。
今ではパンケーキ専門のお店がいろんなところに出来はした。
彼等もパンケーキブームだからと、パンケーキの食べ放題なんかのキャンペーンをしたりしてはいるのだけれど「パンケーキ=ロイヤルホスト」のような認知はしてもらえない。
なんて残念、勿体無い。
ここのお店は外国人がよく泊まるホテルが近所に立地していて、そこからお客様がワザワザ食べにもくるっていう…、だからか一般的なロイヤルホストとメニューが若干違ってパンケーキメニューが目立つところに配置されてる。
メニューを開いた瞬間にアメリカのコーヒーショップにやってきたような気持ちになるのがなんだかステキ。
コンガリ焼けた色艶キレイなパンケーキ。
ゴールデンブラウンと英語にすれば呼ばれるのでしょう。
香りは甘く、しかもホイップバターがタップリ添えられそれをまずはポッテリ塗ります。
二枚重ねをバラバラにしてその両方にバターを塗り込め、再び重ねてメープルシロップをトロンとかける。
そして切ります…、一口分。
若干手応えあるものの、サクッと切れて断面みれば細かな気泡が生地をフックラ、ふくらませているさま見てとれる。
さて、いただきますとパクリと一口。
程よい甘さとハッキリとした塩味が、お菓子ではなく食事に適した味わいつくる。
口に広がる焼けた小麦の明るい香り。
ドッシリとしたメープルシロップの風味とそこにバターの匂い。
確かな歯ごたえ。
なのにしばらくするとトロンとなめらかになり、あっさり口から消えていく。
魔法のようなたのしい食感。
やっぱり上等、ホットケーキじゃなくて見事なパンケーキ…、朝の頭をスッキリめざます甘いゴチソウ、頭の栄養、堪能す。
サイドにベーコン、ソーセージ。
パンケーキという料理の分類。
日本的には小麦粉料理、あるいはお菓子になるんでしょう。
けれどアメリカ的には玉子の料理。
たしかに「粉をタップリくわえて焼いたオムレツ」とそう考えれば、これは立派な玉子の料理で、だからサイドにベーコンやハムがついて当然。
甘いパンケーキを食べながら、合間にベーコンの塩味、あるいは脂の風味を口にいれるとそのおいしさが際立つステキ。
しかもパンケーキにタップリかけたシロップが、タランとお皿に流れだしサイドのベーコンやソーセージにトロンとくっつく。
それがこれまたおいしいく感じる。
脂の香りが濃厚になり、塩の風味がうま味に変わる。
なんてたのしいオゴチソウ。
コーヒー飲もうかと迷ったけれど、やっぱりロイヤルホストにきたら、トロピカルアイスティーを飲まなくっちゃネ…、と。
とても小さなオレンジスライスが体をキュンと縮こめ浮かぶ、風味さわやかな喉のゴチソウ。
ゴクリと飲んで、甘みをサラッとリセットさせる。
次のひとくち、おいしくさせた。
それにしても昔、ココでパンケーキをたのむとガラスのジャグにタップリ入ってやってきていた。
しかもコッテリとろみのついた濃厚メープルシロップがタップリ、ドッシリ。
ところが今では小さな陶器のピッチャーに、サラッと力のないシロップがやってくるのがなんだか切ない。
昔をよそおいながらも変わってしまったところがあまり大きく、それでもまだまだましなほうかと我慢をします…、さて仕事。
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