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2024/11/26 (Tue)
ジャンバラヤ
ロイヤルホストが期間限定で昔なつかし料理を売ってる。
6月14日は「ロイホの日」だというコトで、それを記念しての限定商品。
ファミリーレストランはファミリーレストランであって、ファミレスでないように、ロイヤルホストはロイホではない。
ロイホであってほしくない…、と思う気持ちはまぁ、横に置き、昔なつかし料理が出るのはありがたいコト。
しかも復活をした料理の中に「あの」ジャンバラヤが含まれていると言うことで、こりゃこずばなるまいて!って。
移動途中をちょっと寄り道。
新宿のちょっと外れのお店を選んでやってくる。
とても手間のかかる料理でありまして。
普通のレストランで手間がかかると言うことは、ソースの仕込みや食材の選別やカットに手間がかかるということ。
けれどそうした下ごしらえの手間を集中調理というシステムで端折って出来たファミリーレストランという店で、手間がかかるのは「いろんな調理方法を一度にしなくちゃいけない」ってコト。
料理に限らずどんなモノでも「大量生産」は「分業体制」を前提にする。
普通の店なら鍋一個で作る料理でも、ファミリーレストランではグリドルだったりフライヤー、オーブンだったりサラマンダーと、それぞれ特別な調理機械を使って作る。
だからそれらの調理器をいくつも使って作らなくっちゃできない料理は手間なお料理。
でもって件のジャンバラヤ。
ご飯を炒める。
フライを揚げる。
具材をソテして最後に飾るととても面倒。
お鍋一つでチャッチャと出来る炒飯なんかとは別次元の料理でもあり、一皿の上にいろんな料理が盛り合わさったたのしさがある。
ロイヤルホストというお店には、こうした「気合いと熟練と情熱」でしか作り出せない料理がたくさんあったのですネ。
その代表格を、いただきます!
…、と勢い込んでたのんでまって、やってきたのをみてガッカリ。
ボクが記憶しているジャンバラヤとはちと違う。
「臨場」の倉石義男検視官の口癖じゃないけれど、「オレのとは違う」って低く唸りたくなってしまうようなそんな一皿。
エビ、鶏の唐揚げ、オニオンリングにパプリカ、ネギにブラックオリーブ。
中身の具材はほぼ昔のまま。
けれどひとつひとつはまるで別物。
不景気風に腰をかがめて縮こまってしまったような小さなエビ。
長い不在に夢も希望の蒸発しちゃって半分どっかに消えてなくなっちゃったような小さな鶏の身。
サイズの揃わぬタマネギに、痩せてしまったパプリカ、小さなオリーブ。
思い出しぼむ、さみしい姿。
全体的にトッ散らかった感じがするのも、見苦しい。
味は悪くはないのです。
トマトの風味にデミの旨みが混じってた深い味。
パプリカのちょっと青臭い甘い風味と、イカの旨みが特徴的な味にしている。
オニオンリングスの衣のガリッと前歯で壊れて崩れる、確かな歯ごたえと、どれも決して悪くない。
思い出という魔法にかかった、ボクの気持ちが勝手にハードル上げてしまったのかもしれないです。
けれどなぜだか生ぬるかった。
熱々という状態でだせぬ何かが厨房の中にあるんだろうなぁ…、と思うとそれがなおさら寂しさ助長する。
そう言えば、ボクの妹。
学生時代にずっとロイヤルホストでバイトをしてた。
彼女は自分のお店と商品、一緒に働くスタッフさんをとても愛していた優等生。
彼女が非番のときに家族でロイヤルホストに行こうよってコトになるとしますよね。
忙しい時間帯には行かないであげて…、って彼女は言う。
お店に入ってスタッフさんの配置をみながら、今日は忙しそうだから、パンケーキをたのむのだけはやめてあげて…、って。
人一倍にわがままなボクらの親父にたのんでた。
そんな彼女が行くたびに、手間をおかけしますけれど…、と言いながら同量に、注文していた料理がこのジャンバラヤ。
これが一番うちのお店らしい料理だから好きってそう言いながらいつもコレ。
そんな料理もだからこそ、いつしかなくなりそれと同時に、来る楽しみをなくしてしまった。
お店で働く人が心から愛した料理をなくしてしまう。
大人の事情があるんだろうけど、なんたる残念。
なやましい。
このジャンバラヤを作ってる人は、かつてみんなが愛したあのジャンバラヤを食べたことがない人だろう。
そう思ったら、まるでおじいちゃんになってしまったみたいな気になる。
セットにもらったオニオングラタンスープの味もどこかさみしく、薄っぺら。
不完全燃焼とでも言いますか。
選んだお店がドリンクバーを導入してるお店だったというのも多分、寂しい気持ちを増幅させたに違いない。
壁や仕切りがやたら多くて、見通しきかぬ小さな空間。
かつて、お客様が口に運ぶコーヒーカップの傾く角度で、お替わりコーヒーを持ってくタイミングを見計らってた。
そんな伝統もすっかり途切れてしまってる。
似ているけれど、そのままじゃない。
かつての名品を再現しようにも、こんな不完全にしかならぬのならば、せめて一軒。
日本に一軒だけでいいから、かつてのそのまま再現した店を作ってほしい。
笑顔に溢れ、背筋の伸びた立ち姿すらうつくしい「ロイヤルマン」がお客様をおもてなしするかつての日常。
今となっては奇跡のお店。
なんだかとても、なつかしい。
お口直しに名曲一曲。
1954年に録音された江利ちえみさんと東京キューバンボーズによるジャンバラヤ。
達者です。
今の日本にポップスをこれほど上手に歌える人っているんだろうか…、って思ってしまうほどの達者にウットリします。
見事です。
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2010/05/25 (Tue)
チェーン店
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ふふふ。
鼻骨をぶいんと響かせて歌うところがチエミですね。それにしても我々、この先もう異国の食べ物にこういうエキゾチックな憧れを持てないんじゃないかと思います。
ウランさん / 2010/05/25(Tue) /
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ちえみ節
> ウランさん
子供ながらに、なんだかすごいへんてこりんな歌い方をする人だなぁ…、と思ってたんです、江利ちえみ。
でも今、こうして聞くと本当に味があって、ステキですよね。
食べ物だけじゃなくて、異国に対しての好奇心とか憧れとかがどんどん薄れているような気がします。
洋楽も全然、売れていないっていいますし。
もう一度、兼高かおる様にお出ましいただくしかないかもしれません。
サカキシンイチロウさん / 2010/05/25(Tue) /
編集
ヒョウ・ショウ・ジョウ!
お出まし頂こうにも、パンナムがもうありませんよ(笑)。
ウランさん / 2010/05/25(Tue) /
編集
80日間世界一周
> ウランさん
ユナイテッドエアラインでは似合いませんモノね。
サカキシンイチロウさん / 2010/05/25(Tue) /
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無題
ロイホのぬるいお料理。2回続き、あまりに耐えきれずに、一度本部に苦情を言ったことがありました。その後はアツアツのものを出してくれて、ホッとした覚えがあります。真ん中がぬるいコスモドリアほど悲しいものはありませんもの。
あや~んさん / 2010/05/25(Tue) /
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温度って大切
> あや~んさん
熱いのでご注意下さいって言われたオニオングラタンスープも熱々ではなかったのですね。
調理段階でぬるいままのモノ。
デシャップの上に放置されてぬるくなってしまったもの。
いろんな理由が考えられるとは思いますけど、主観的な味にくらべて温度はとても客観的なおいしさの基準。
こだわってほしいなぁ…、って思いますね。
サカキシンイチロウさん / 2010/05/25(Tue) /
編集
学生食堂のバイトより
うちですら冷めた料理は出さんぞー!!
同じ飲食業として、活!!
すみません、思わず・・・
かっちさん / 2010/05/26(Wed) /
編集
どんなお店でも
> かっちさん
どんなにおいしく、どんなに豪勢なお料理でも、冷めてしまっちゃおしまいよ!って思いますよね。
熱い料理を熱いままで楽しんでいただくために、理論や施設は関係ない。
気合いと愛情。
そう思います。
サカキシンイチロウさん / 2010/05/26(Wed) /
編集
懐古趣味ではなくて
しみじみしながら読みました。
本当に昔のロイヤルホストはキラキラしてましたよね。
そして、みんなそれを誇りに思っていたと思う。
日本に一軒だけでいいから、かつてのそのまま再現した店を作ってほしい、って、わたしも本当にそう思います。
momoさん / 2010/05/26(Wed) /
編集
傍で見ているだけの人間なので
見当違いの発言であればゴメンナサイ。家庭環境や住んでいる場所などでもきっと意見は違ってくるとは考えております。
北海道の片田舎に昔(30~20年前位です)住んでいました。「食堂」はあっても「レストラン」はあまりない環境でして、そのレストランも小さなデパートの一角のお店でした。
親父の教育方針なのか外でご飯はめったに食べることはなく、デパートのレストランでご飯を食べるということはハレのイベントでした。コーンスープもお子様ランチも、親父が分けてくれるえびピラフもご馳走でした。
自分自身はそのような教育方針を受けたものですので今もファミリーレストランに入ることはめったになく、なので見ている視点が見当違いなのではないかと怖いのですが……
洟垂れ小僧もそれなりに大人になり、都会の大学に出た友達の所に遊びに行った時に毎昼食がファミリーレストランだった事があったんです。自分にない習慣に「こんなに贅沢して大丈夫なのか?」とどきどきしたものですが、その友達にはケの出来事なんですね。また客層も学生さんが友達を連れてしゃべる場所を借りるような使い方をされているように見受けられ、普段使いの場所として動いているようでした。
自分の30年前はあまりにも子供で客観的な視点も持てる材料も乏しく、そこで教えていただきたいのです。
30年前から今日までファミリーレストランの役目とは変わっていないのでしょうか?30年前もその当時の学生さんがドリンクバーを注文して長話をする場所を提供している場所だったのでしょうか。
長い文章になってしまい、申し訳ありませんでした。
Wordsworthさん / 2010/05/26(Wed) /
編集
今だからこそ
> momoさん
世の中から夢がどんどん無くなって行く、今のような世の中だからこそ、日常生活の近くにあって、それでも豊かな夢にあふれる場所がほしい。
そう思います。
それは決して贅沢なワガママではない、というコト。
それを証明していきたいなぁ、とも思います。
サカキシンイチロウさん / 2010/05/26(Wed) /
編集
どんなときでも
> Wordsworthさん
どんな時代。
どんなときでも、そして場所でも。
お腹いっぱいになるためだけではないレストランが必要だろう、とボクは思います。
心の贅沢をなくしてしまうと、生活そのものが貧しくなっちゃう。
ファミリーレストランがファミレスと呼ばれるようになって、その憧れと心の豊かがなくなった。
ファミレスのドリンクバーで何時間も時間をつぶす若い人たちをみていると、もっとたのしい時間の過ごし方をしなさいよ…、って小言のひとつも言いたくなっちゃう。
おじさんだなぁ…、って思いもするけど、でもそんなおじさんならば喜んでなってやろうと思ったりもする。
再びお客様から憧れの目をもって接してくれるレストラン。
一軒でも増えてくれるといいと思います。
ステキなコメント、どうもありがとうございます。
サカキシンイチロウさん / 2010/05/26(Wed) /
編集
あの輝きを
私も学生時代アルバイトしていたので、ロイヤルホスト大好きでした。仕事をする楽しさとかいろいろ教わった気がします。
あれから十数年・・・
ロイヤルホストは迷走のあげく、大切な心をどこかにおきざりにしちゃったんでしょうね。
奇跡の一店舗、開店したら
もちろん行きますけどね♪
できたらいいですね~
素敵な奇跡の一店舗。
繭香さん / 2010/05/26(Wed) /
編集
みんなが誇りをもっていた店
> 繭香さん
あの頃のロイヤルホストは、スタッフさんみんなが誇りを持って働いていた。
お店でお客様のために仕事することがたのしくしょうがない人たちのいる場所でしたよね。
今も、そうしたステキの片鱗がありはしますけれど、全体的にボンヤリした空気が漂っている。
勿体ないなぁ…、って思います。
かつての輝き。
見てみたいものです。
サカキシンイチロウさん / 2010/05/26(Wed) /
編集
ジャンバラヤといえば
ジョナサンの商品が自分の中では鉄板ですね~
申し訳程度の茹でたブロッコリーが一つついているのも商品の潔さを感じるし、皿の上のどれもこれもがハッキリ主張できてる。
ロイヤルホストはやはりリーディング(leading)のポジションであってほしいというのは若くない証拠でしょうか(笑)
めるばさん / 2010/05/26(Wed) /
編集
成熟した大人ということで…。
> めるばさん
ボクにとって、ロイヤルホストは他のどのファミリーレストランチェーン店とも違った独特のポジションにあった店。
今では十把一からげでファミレスのひとつ。
そう思ってしまうのは「成熟した大人」と言うことなのでしょう。
年をとったからということであきらめなくちゃならないことが多くなるのは哀しいコト。
こうして昔のコトをたまにつぶやくことも、おじさんのひとつの仕事と思ったりいたします。
サカキシンイチロウさん / 2010/05/27(Thu) /
編集
無題
ここはお店によって作っている人の力量が表れる面白いところだと思います。
私はわざと手間のかかるクラブハウスサンドイッチとパンケーキを昼間の忙しい時間帯に頼んでみたりします。(ちょっと意地悪なもので)今ひとつのお店だとパンがしなっとしていたり、具がさめてたりするのですけど、ステキなお店だとパリッとしたパンにカリカリのポテトが付いてきたりします。
TKさん / 2010/05/27(Thu) /
編集
人の力で
> TKさん
システムじゃなく、人の力で料理を作っているお店。
だからぶれがでるのはしょうがない。
そのぶれを上回るだけの魅力があればいいのですけど。
ボクも、とてもよい状態のロイヤルホストで提供されるサラダの見事にたまに癒されることがありますね。
サカキシンイチロウさん / 2010/05/27(Thu) /
編集
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