雑煮をつくってはじめる今朝…、今年最初の仕事をします。
正月の朝に火を使うのは不遜なコトで、なぜなら火というのは神に属するものだからという。けれどお餅という食べ物はその神様が宿る食べ物。それをお腹に収めるために日を使うことは例外的に許されているっていうコトらしい。
それでも調理は最小限に、チャッチャとけれど丁寧に。
輪切りにした大根を昨日のうちから煮浸して、それをお椀の真ん中におく。
田舎から送ってもらった丸餅を、一晩水に浸してやわらかくしたのを出汁でトロトロに炊く。
大根を土台に餅をそっとおき、そこに田舎から送ってもらった白味噌を濃い目に溶いたお汁をとろりとかけまわし、茹でた春菊としいたけ、それからかまぼこ。
甘くてトロンとポタージュみたいな白味噌汁が、ぽってりとした餅の食感とあいまって、新しい年のお腹をやさしくあたためる。
そしておせちをいただき食べる。
立派なお重にギッシリ料理が詰め込まれ、しかもなんともうつくしい。日本の美味と伝統の味が並びちらかり、小さな宇宙を作っているようなそんなステキにウットリします。
目が出るようにとくわいをパクリ、腰が曲がるまでがんばりましょうとエビを頬張り、煮しめの中のレンコンを食べて未来が見通せますよう。
一つひとつの料理に味がしっかりしゅんで、なのに決して舌が疲れるコトがない。
カニに帆立に身欠きにしんを焚いたんに、カモにカジキに穴子につくね。あん肝ムッチリ味わって、体のすみずみ新しくする。
ちなみに銀座の矢部さんでいただいたおせちでござる。
ひとつひとつ丁寧に作りこまれているのがわかる上等なモノ…、何しろ料理に真摯な姿勢をもってる人で、新しい料理をつくろうとするときなんか、それを作るための道具を自ら作ってしまうほどの料理マニアのような人。
味わい深く、気持ちがこもった料理にニッコリ、気持ちやさしくなりました。
さかきさんへと黒豆煮たのをおまけにくれた…、新春早々、縁起がよくて笑顔がもらえた。今年もよろしくお願いします、まいります。
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