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サカキシンイチロウノホトンドゼンブノブログ
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    1960/01/26
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    今日は午後から食べる勉強。
    居酒屋の繁盛店を勉強しましょう…、って社内の企画。
    いくつかの気になるお店をピックアップして、見て回ろうという趣向にて夕方早々、まだ日の高いうちから次々、はしご。
    その店の中から何軒か…。

    まずは最近、お気に入りのテング酒場を開店早々、のぞきます。

    10.JPG夕方の4時。
    10分ほど過ぎの早い時間に、もう先客が一組飲んでる。
    ボクらが入って間髪入れず、10人ほどのグループ客がなだれ込んできて、まだほとんどの会社が営業中であること、忘れさせてもらえるにぎわい。
    お店が開くのを待ちかねたようにお客様がやってくる店って、本当に魅力があるんだろうなぁ…、って改めて思ったりする。

    飲み物たのむ、そのときに冷たい緑茶をいただけますか?って。
    聞いたらメニューにはないらしく、担当の人がちょっと困った顔をした。
    それならウーロン茶でもいいですよ…、って他の人たちと注文あわせる。
    なのにしばらくしてやってきた、その担当の手には茶色のお茶のジョッキが2つ。
    それと一緒に緑のお茶の入ったジョッキが1つある。
    わざわざ作ってきてくれる。
    こんなところが、贔屓にしてもいいよなぁ…、ってしみじみ思わせてもらえるところ。
    さい先がよし。

    早速料理をいくつかたのむ。

    卵焼き。

    43ad548f.jpeg出汁タップリのフワフワで、けれど料理屋さんの出汁巻き卵のようにはきれいにクルンと巻かれてはない。
    たのむたび、違った形でやってくる、今日のは四角いまるで絹ごし豆腐の一丁丸ごとみたいな姿。
    素人臭いというよりも、まるで料理上手のおかぁさんが作ってくれる料理のような、そんな素朴と単純が、ここのお店の料理の持ち味。
    その分、安くサービスしますから。
    その分、パパっとお待たせせずにテキパキ料理をだしますからネ、と。
    それが多分、今の時代のサラリーマンには一番うれしいおもてなし。

    ハムカツ、あるいはポテトサラダも素朴なできばえ。

    P1050464.JPG決して上等ではないハムを、細かにパン粉をつけ、揚げる。
    塩味。
    脂。
    どれも結構、強烈ででも多分、だからおいしい。
    だって上等で美味しいハムなら、揚げたりしないでそのまま食べるか、ササっとグリルして食べればいいもの。
    肉屋さんのサービス品…、みたいな味わい。
    わるくない。
    シットリとしたポテトサラダも肉屋さんで売ってるみたいな風合いで、昭和な味が漂っている。
    だってこのお店のお客様って、ほとんど昭和の人たちで、だから料理も昭和の料理がぴったりとくる。
    理にかなっていると感心します。

    とはいえ、ちょっと面白い料理も揃ってて、例えばピッツァ。

    P1050471.JPGペペロンチーノのピザというモノ。
    薄焼き。
    ほとんどパリパリで、チーズをのぞいて具と言えば、細かく刻んだ赤唐辛子とカラっと揚げたニンニクチップ。
    つまりペペロンチーノのパスタをそのままピザにしたこれがたったの180円。
    ほとんどの人がまずはこれをたのんで、ビールを煽る…、ってくらいに人気のある料理。
    薄い生地の端からはみ出るチーズが焦げて、パリパリせんべいみたいになってる。
    チートス味のおせんべい…、みたいな感じがたしかに酒にぴったりとくる。

    キャベツやネギをたっぷり仕込んだ自家製さつま揚げであったり、アスパラガスのチーズ焼き。
    キャベツのペペロンチーノ風味のオーブン焼きなど、あれこれたのんで、お勘定。
    なんとお一人1500円というほどよき値段。
    ありがたい。

    ちょっと移動して神楽坂。
    魚串っていう店。

    uokusi.JPG魚の切り身に串を刺して、炭火で焼く…、という趣向のお店。
    串焼き。
    炭焼き。
    どちらもブームのまっただ中で、好きなものをちょっとづつおなかに負担をかけずにたのしむ「お腹いっぱいにならないことをたのしむ」食事にピッタリとくる。
    この店、立ち飲みバーのような体裁の、食べるというより、たのしく飲むことを提案している。
    だから大きい魚を一匹丸ごと焼きましょう…、っていう料理よりも、箸も使わず手づかみでちょっとづつ味わう串焼きの方がしっくりとくる。

    しかも普通の切り身だけじゃなく、しめ鯖やしめたコハダに串を刺しレアに焼く。
    おもしろい。
    おいしい…、というよりおもしろい、アイディアをたのしむそんな店。
    ココもまた、早い時間にほぼ満席で、そのほとんどが何かを食べにくるのじゃなくって仕事終わりを仲間と一緒にたのしく騒ごう。
    そんな気持ちでやってきている。

    串を適度に何本か、つまんで飲んで、ここもなんとお一人1500円。
    なんたる偶然、おもしろい。

    〆の一軒。
    蕎楽亭(きょうらくてい)。

    P1050479.JPG蕎麦の店。
    とはいえ夜にはほとんどの人が、なにかをつまみ酒を飲み、蕎麦であがる…、という楽しみ方をしてる店。
    これもある意味、居酒屋的ということができるのでありましょう。
    カウンターに陣取って、料理ができる様をみながら、つまみをまずかいくつかもらう。

    ここの名物のひとつが牛すじ煮。
    丁寧に煮込んだすじの肉の部分を休ませ旨味を閉じ込めたのを、注文のたび、一口大に切り分ける。
    それをゼラチン分と脂をタップリ含んだ筋と一緒に出汁でグツっと煮上げ、タップリのネギとごまを散らして出来上がる。
    肉の旨味。
    脂の香り。
    そして出汁の味わいがひとつになって、なんとも濃厚、とても上等に仕上がったコムタンスープのような味わい。
    ああ、これで白いご飯を食べたらどんなにおいしいだろう…、って。

    熱々の酒の肴と、〆の蕎麦。
    続きは「つづきはこちら」のボタンを押して、ご覧ください。
    まだまだ続く、神楽坂の夜。

    続いてもらった煮湯葉の卵とじというこれ。

    e631d65a.jpeg旨味十分の出汁の中でクツっと煮込んで、プルプルに膨らんだ湯葉を卵でフルフルとじる。
    やさしい。
    固まる前の茶碗蒸しのような風味に味わい。
    湯葉がムチムチ。
    玉子がふんわり。
    病み上がりに何かを体にあげるなら、こんなやさしい滋養に満ちた、美味をどうかお願いします…、ってそんな感じの柔らかな味。

    煮穴子食べて、さて、〆を。
    目の前で次々出来上がってゆく、蕎麦の様々。
    プルプルとした見目、みずみずしいせいろやざる。
    トマトを煮詰めてペーストにした、ソースを蕎麦に乗っけた夏のトマト蕎麦。
    食べたい蕎麦がありすぎる中、選んだのがこれ。

    辛み大根の熱いそば。

    4df0d98a.jpeg辛み大根に冷たいそばの組み合わせは、自分でも結構作る定番。
    けれどここのは熱々の蕎麦。
    茹でた蕎麦。
    シャキッとしめて、再びそれを鍋でクツっとあったかくしてスタンバイ。
    お椀にバサッと緑のネギを刻んでタップリ。
    その上に麺。
    熱々の出汁をはって、辛み大根の大根おろしをタップリのっけ、再びネギ…、で出来上がりという、シンプルながら手の込んだ独特のモノ。

    で…、旨かった。
    温かいそばが発するムッチリするよな蕎麦の香り。
    ネギのシャキシャキ。
    辛み大根のサラっと喉をくすぐるような食感と、鮮烈な味。
    どれもおいしくでも最高に旨いのが、出汁の味わい。
    かえしの醤油をほとんど感じぬ、ただ純粋な出汁の旨味と最小限の塩の味わい。
    ふうふうしながら一口すすると、もうその味わいの虜になって、ゴクゴク飲みたい。
    なのに熱々。
    だからゴクゴク、勢いよくは飲めなくてフウフウしなくちゃいけなくなって、唇の前で気持ちと熱さが押し問答する…、そんなおいしさ。
    時間をかけて、ほぼ完全に出汁まで飲んだ。
    おご馳走。
    お勘定して、あらあら、またまた不思議なことに、一人1500円の割り勘となる。

    祭り提灯がにぎやかな神楽坂の町。
    路地裏の料亭前には黒塗りハイヤーがなぜだか目立つ。
    日本が変わる、その隠れた準備がこんなところで進んでる。
    なんだかドキドキしちゃう夜。

    7月1日、下半期。

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    行こうと思ってペコリ
    魚串、僕も本を見て面白そうだなって、今度東京に行ったら行きたいお店でした。かならず行きますけどね(笑)僕の町でもうまく行きそうですけど、社長様が…。最近悩んでいる件、今日のお客様にお出ししたら皆さん普通のより美味しいと言われました。僕的には、よくわからなくなってきました。ペコリ(苦笑)
    変わり者ミダさん / 2009/07/01(Wed) /
    人の好きずきって…。
    > 変わり者ミダさん
    人の好き嫌いって不思議ですよね。
    あまり真剣に考えると本当によくわかんなくなっちゃいます。
    気を楽にして、ある部分は人任せにしちゃうのも幸せかなぁ…、なんて思うことがありますね。
    それにしても、まずは一段落、ということなのでしょうか。

    一日も早い東京再上陸。
    たのしみにしておりますです。
    サカキシンイチロウさん / 2009/07/01(Wed) /
    美味しそうですね
    明日、お昼前に東京上陸予定なんですよ。予定変更になり、金曜日は気ままにブラブラすることに。いかにご機嫌に過ごすか、何か素敵なアイデアはないかとサカキさんの素敵情報を収集できたらとおもいのぞきにきました。
    繭香さん / 2009/07/02(Thu) /
    東京ぶらぶら
    > 繭香さん
    さてさて、東京の週末をどのようにすごしましょうか?
    今、東京で一番元気なところ、といえば、やっぱり銀座じゃないかと思うのですね。
    特にお昼間であればかなりコストパフォーマンスの高い過ごし方ができるかと。

    今一番のおすすめは、「古窯」というお店のビーフシチューのランチ。
    これは絶品。
    デザートは銀座ウェストでシュークリームをいただいて、あとはぶらぶら、ウィンドーショッピングなんていいかもしれません。

    あるいは西新宿。
    野村ビルの地下は時間を無駄に楽しく過ごすのに最適な場所です。

    もし、どんな場所を中心に過ごされたいのか決まっているようであれば、教えてくださいね。
    サカキシンイチロウさん / 2009/07/02(Thu) /
    ありがとうございます!
    早速、チェックさせていただきました~。
    素敵情報をありがとうございます
    銀座はブラブラしようと思っていたんですよ。
    ビーフシチュー食べに行ってみます
    チョーシヤさんのコロッケ食べてみたいと思いながらなかなか食べるチャンスがないんので買いに行ってみようと思ってます。

    あと、表参道・青山あたりもぶらぶらと♪
    あとは、国立近代美術館のゴーギャン展を見に行こうかと思っています。
    繭香さん / 2009/07/02(Thu) /
    国立近代美術館周辺には
    > 繭香さん
    国立近代美術館近辺にはおいしいスイーツのお店がたくさん。
    例えば、ミッドタウン前にはなめらかこの上ないフローズンヨーグルトの「ゴールデンスプーン」がありますし、ミッドタウン地下の虎屋さんとか、Dean & Delucaであったりと、気軽でゴージャスな食品ストアが目白押し。
    お散歩日和になるといいですね。
    サカキシンイチロウさん / 2009/07/02(Thu) /
    魚串さくらさく!
    魚串さん、素敵で便利なお店ですよね。私は一人で行って奥のカウンターに座らせてもらうことが多いです。友人には「和風ピンチョスのお店」って紹介してます。スペインに行ったこともないのに・・・。
    暗黒寺一休さん / 2009/07/02(Thu) / URL
    東京はグルメの街!?
    実は東京って1度もゆっくり巡ったことがないですね・・・。もう7〜8年は東京駅すら用事がなくて行くこともないですからね・・・。なので、地元関西からサカキさんのブログを見つつ、「へぇ〜。おいしそうだな。」とか思いつつ・・・。いつか東京方面に行く機会がある時にこのブログで紹介されているお店とかに行きたいですね。
    りりこりあさん / 2009/07/02(Thu) / URL
    多様性こそが東京の魅力でしょうね。
    > りりこりあさん
    同じ1500円でもその使い方、楽しみ方の種類がとても多いのが東京という町のすてきなところなんだろうなぁ…、って思います。
    高級なだけがおいしいものではないということ。
    いろんな目線。
    いろんな価値観をドスンと全部まとめて受け止めてくれる、そんな東京の懐の深さがボクは大好きなんですね。
    サカキシンイチロウさん / 2009/07/02(Thu) /
    たしかにバルっぽい!
    > 暗黒寺一休さん
    たしかにこのお店はバルっぽいです。
    同じ神楽坂に「エルプルポ」ってスペインバルのお店があって、そこのテーブルやカウンターの作りをかなり参考にされているなぁ…、なんて思いました。
    気軽なお店。
    神楽坂って本当にすてきなまちだなぁ…、って再認識。

    書き込みどうもありがとうございます!
    サカキシンイチロウさん / 2009/07/02(Thu) /
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