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サカキシンイチロウノホトンドゼンブノブログ
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    1960/01/26
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    飲食店は立地の商売…、って言われます。
    どんなにすばらしい商品とステキな笑顔があっても、立地が悪いと繁盛できない。
    評価していただくはずのお客様が、来てくれないではせっかくの良さも持ち腐れになってしまうというわけですね。
    当然のこと。
    けれど、人がいっぱい住んでいるから。
    目立つ場所にあるから。
    人が集まってくる要素があるからいい立地である…、とは限らないのがおもしろいとこ。

    わざわざいかなくちゃいけないような不便な場所。
    夜になると真っ暗になるさみしい場所。
    なんでこんなところにお店を作ってしまったんだろう…、っていうような普通ならば絶望的な場所にも「あれっ」て思うようないいレストランがあることがある。
    たとえばこの店。

    uwos.jpg宮崎の町外れ。
    うを佐という和食のお店がある場所は、周りに店の一軒もなく、目の前は田んぼ。

    後ろは山と、絶望的な立地の要素を数え上げればきりがないほどのすごい場所。
    何度来ても、惚れ惚れするほど寂しい立地。
    けれど気持ちよくドライブできる立派な道と、若葉マークのドライバーにもすんなり車を止めることができるゆったりとして親切な駐車場がキチンとあって、だからわざわざ、遠くから、車を飛ばしてお客様が次々、きます。
    心づくしのおいしい料理と、にっこりとしたステキなサービスにあいにわざわざ…。

    ボクもその「わざわざ」をたのしみに、今日も来ました。
    さて、試食。

    釜飯。

    d6b4311b.jpeg日本全国、おいしい釜飯があるといえば飛んでいって勉強をした、ここの名物。
    とはいえ、結局、ご飯の炊き方を工夫しながら試行錯誤で、ここ独自の調理方法を確立しかたら…、ということなのでありますけれど。
    水。
    米。
    そして求める味わい、食感。
    それらを作りだすための方程式ができたから、だから炊きおきしないで正真正銘、注文が入ってから炊き上げる。
    でもそれほどはお待たせしないという、こうした工夫が本当の商品開発なんだろうなぁ…、って頭下げつついただきました。
    ちょっと固めの炊き上がり。
    ご飯粒、ひとつひとつに味が入ってしかも具材の油がツルンとコーティングした味付けご飯とはまるで違った「釜炊きご飯」。
    家ではなかなか作れない、だからこうしたわざわざ来てまで食べる価値ある料理になった…、ということなんでしょう。
    感心です。

    もともとすし屋さんからスタートした…、というこの店の、だから刺身や寿司は一級品。
    中でも仕事をしっかりとした正直なつくりの寿司には定評があり、たとえばバッテラ。

    a54a6851.jpegそのまま刺身でも食べられる、新鮮な鯖を軽く酢で閉めて、ご飯の上にキッチリのっける。
    昆布を張ってギュギュッと押して、スパッと切って出来上がりという、まあ一般的なバッテラだけど、なかなかお目にかかることができないような上等なでき。
    分厚い切り身。
    ムチュンと前歯に抵抗しながら、ユックリ歯ぎれる見事な食感。
    魚のにおい。
    青い魚ならではの濃厚にしてたくましい脂の風味。
    それをしっかり受け止めて、一歩も引かぬしっかりとしたシャリの味わい、炊き加減。
    ずっしりとした食べ応えにして、でも一個食べるとまた次の一個を右手が探って食べる。
    食べ始めたら止まらぬ味わい。
    見事なり。

    いわゆる日本料理だけでなく、宮崎ならではの料理もあれこれ。

    093a77aa.jpegレタス巻きであったり、チキン南蛮であったりにも手を抜かず、丁寧に作ってくれる。
    なんだかとってもありがたい。

    地元の若い人たちと、これからの外食産業のことに関してあれこれ情報交換をする。
    景気は悪い。
    けれどどんなときでも、人は何かを食べなきゃ生きてはいけない存在。
    せっかくだったら、元気になれるお店でたのしい食事をした方がいいんじゃないの?って思ってもらえればがんばれるよネ。
    おいしいだけで不機嫌な店。
    安いだけで心まで貧しくなっちゃうお店。
    そんなお店だけはなっちゃいけない。
    そならないよう、笑顔でニッコリがんばりましょう。
    そういいながら、さてお休みなさい…、とあいなった。

    土曜もしばらく宮崎です。

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    ■ コメント一覧
    立地じゃないんですね
    なるほど、です。
    そういえば日本にいた頃、隠れ家みたいなとんかつやさんを知人に教えてもらい、気に入って友達を次々連れて行ったことがありました。
    辺鄙な場所、ええ?ここに?っていう場所でしたが、おいしくてどこか遠くの町に旅行に来たような気持ちになれるお店で。
    不便でも、おいしくて気持ちがいいサービスが待っているお店だと、行っちゃいますもんね。
    若葉マークでも安心って、うれしいかも。
    釜飯~!こちらでは味わえませんから、写真を見ながらのどが鳴りました。
    九州での週末、ステキ&おいしい出会いがありますように。
    Sumiさん / 2009/04/25(Sat) / URL
    そうなんです
    > Sumiさん
    立地がいいということと、人気が出るということはまるで違うことだったりするんですよね。
    隠れ家っぽい立地。
    そこをわざわざ探していくたのしさ。
    それもご馳走の一部だろうなぁ・・・、って思います。
    サカキシンイチロウさん / 2009/04/25(Sat) /
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