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2024/11/21 (Thu)
最後の一個のルノアール
ルノアール。
いつ来ても、同じようにもてなしてくれる、ほどよいお店。
喫茶店。
ほどよく空いてて、いつもユッタリ、くつろげる席が一つは必ずあいている。
今朝はちょっとにぎやかでした。
というのも最近、ルノワールでは一部客席を塀でしきって会議室として貸し出している。
近所の会社の早朝会議かなんかでしょうか。
おじさんたちが階段を降りたり上がったり。
確かに昔からルノアールっていうこの場所は、喫茶店以外のいろんな機能を持っていた。
営業サラリーマンの昼寝の場所。
小さな会議をお茶飲みながら開催したり、ときに面接会場になったりもした。
すべてがサラリーマンのための便利であるというのが、ココという場所の特徴を表している。
おもしろい。
昔っからの分厚いおしぼり。
ロゴに店名が印刷された袋に包まれ、中にビッシリ、水滴溜める。
涼しくなってもお冷やのグラスにはこれまたビッシリ、小さな水滴が貼り付いていて手に冷たさが伝わってくる。
ポンっとおしぼり、叩いて割って、ゴシゴシ、耳の後ろをキレイに拭う。
おじさん気分に拍車がかかる(笑)。
よくぞ、オトコに生まれけり。
朝のセットには4種類ある。
厚切りトーストにゆで卵がつく一番簡単なモーニング。
それにサンドイッチが3種類。
ハムとキュウリのサンドイッチにゆで卵が付く、ココでのボクのお気に入りのモノ。
イギリスパンにポテトサラダを挟んだサンドイッチに、ヨーグルトがついたモノ。
それにこれ。
トーストサンドイッチにスープのセット。
他のセットにはスープ以外にゆで卵やらヨーグルトやらなにか付く。
けれどこれはサンドイッチ以外には何もつかない、なのに結構、高かったりする。
パンをトーストして挟むという、その付加価値で勝負している。
そんな健気が気になって、それでたのんで食べてみた。
ら…。
これが結構、よくできで感心しました。
よく焼けたカサカサのパン。
中に挟んだ焼いたベーコンが熱々で、そこにひんやり玉子サンド。
マヨネーズをタップリ含んだシットリ感が、トーストパンの乾いた感じを引き立てる。
ボクの後からやってきた人。
ブレンドコーヒーにこのセットをたのもうとして、「ごめんなさい、玉子サラダがなくなっちゃってそのセットは品切れなんです」…、って。
なんとボクのこれが最後のひとつ。
なんだか得した気持ちになった。
今日をボクの、ラッキーデーといたしましょうか…、がんばろう。
[0回]
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2009/11/17 (Tue)
日記 : 昭和な喫茶店
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「うっす!」なはまの屋
最近、一番のオキニイリ朝ご飯場所。
有楽町の「パーラー・はまの屋」にくる。
なぜだか最近、お洒落なカフェより昔ながらの喫茶店がおちつく気がする。
歳なのかなぁ…。
これと言って理由はわからぬ。
確実なのは、緊張することから無縁であること。
ボクらはカフェとか喫茶店に多分、癒しをもとめてる。
ストレスのない空間が、よい喫茶店やカフェでもあって、けれどそこがあまりにお洒落でモダンであると癒しにならず、不思議な緊張に襲われたりする。
自分はここに「ウェルカムされて」いるんだろうか?って、余計な心配をするはめになる。
昔、あれほど得意だった恵比寿系のカフェに最近、とんと興味がわかない理由。
そう考えると、ちょっと合点がきたりする。
街そのものもそうかもしれない。
渋谷は行かない。
街を挙げてボクを歓迎していないのがわかるから。
恵比寿や目黒もボクの街ではない気がする。
新宿でのびのびできる自分を律して、銀座や日比谷や丸の内。
悪くないなぁ…と最近、思う。
勘違いかもしれないけれど。
今日のこれがサンドイッチ。
卵焼きとツナをハーフハーフでもらうことにした。
ココのツナは初めて食べる。
実はツナのサンドイッチは好きな具材のひとつなんだけど、自分で作ると上手くできない。
加減がちょっとわからないんです。
マヨネーズを入れすぎるとベタベタになっちゃうし、何も入れずに作ってしまうと今度はバサバサ、まとまらない。
ココのはほんの少々のマヨネーズに塩と胡椒でツナの持ち味殺さず作る。
さりげなくって旨いなぁ…、って思います。
そもそもココのサンドイッチはあまりマヨネーズを使わない。
パンにほどこすのはバターと芥子。
具材にシッカリ味をつけ、だからパンがベトベトしないし、どこを食べても同じ味になる。
その典型が玉子サンドで、中にふんわり挟まれた卵焼きでご飯を食べたら旨いだろうなぁ…、ってそんな妄想いだかせる。
すっかり虜でございます。
ちなみにココのサンドイッチは、「サンドゥイッチ」とメニューに書かれる。
時代的でなんともステキ。
Sandwichを、確かにそのままカタカナに置き換えてやれば「サンドゥイッチ」となるんでしょうな。
ちょっとメモっておきましょう!
熱々コーヒー。
小さなカップになみなみ注がれ、ミルクを+と溢れそうになる。
受け皿ともどもそっと持ち上げ、口からむかえにいくようにして、ススっと飲むと口一杯に昔コーヒーの味が広がる。
ここのサービスのおじさんは、普通は普通に「いらっしゃい」ってお客様に声かける。
ところが見知ったお客様には「うっす」と短く、笑顔でスパッと挨拶をする。
今朝、やっと初めてボクも「うっす」と挨拶してもらう。
日比谷の人になった気がして、なんだかうれしい。
木曜日。
[0回]
2009/10/29 (Thu)
日記 : 昭和な喫茶店
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朝ルノアール
ひさしぶりにルノアールの朝。
個人営業でなく企業が経営するチェーン喫茶店として、おそらく最も「かつての喫茶店」的を守り通しているお店。
隣の席が気にならぬ、ゆったりとしたテーブル配置。
壁を背にしてドッカとソファに腰をおろすと、蝶ネクタイのお兄さんが恭しくもやってくる。
手には氷タップリのお冷やグラスと、ふかふかの布おしぼり。
おしぼりを包み込んだ半透明の袋の上にはお店のロゴが…。
ひさしぶりでも今までどおり…、ってそう思いつつカメラを向けて小さなロゴをしげしげと見る。
そしたらあらあら。
ロゴがあたらしいのに変わっているじゃ、あぁりませんか!
Renoirとお店の名前の前後にキャッチ。
Coffee Roomと、since 1957という文字で挟んだモノになってた。
たしかにここのフッカリとした椅子に座ってコーヒー飲むと「コーヒーと部屋」が等価で並んだ、コーヒールームという表現に妙に納得。
それにしてもここ。
1957年創業なんだね…、ボクよりずっとお年寄り。
サンドイッチにゆで卵、そしてカップスープのセットをもらいます。
中切りのパン。
焼かずにそのまま。
間にハムとキュウリをはさんだ、いわゆる喫茶店的サンドイッチで具の存在感が最小限。
具を食べるのじゃなく、パンをおいしく食べるために出来上がった…、ような感覚。
けれど不思議と悪くない。
芥子マヨネーズの量が絶妙。
キュウリとそれが一緒になって、みずみずしくてサッパリしてる。
きれいに茹で上がって、だからスルンと剥ける固ゆで玉子。
セロリの香りがほほんと漂う、コンソメスープはなんだかしらないけれどボクの味覚の襞にしっかり記憶された味。
全日空の国内線で、飲ませてくれるビーフコンソメにセロリの香りをのっけたようなちょっとひねりのある風味がステキ。
胡椒をちょっとパラっとふって、甘い香りを足して飲む。
アイスコーヒー。
ビッシリと水滴をもった足付きグラス。
氷タップリ、風味豊かな喫茶店的アイスコーヒー。
朝のお腹にはできれば温かい飲み物を入れ、体を一緒にあっためたほうが代謝があがる。
健康にもいいし、太りにくい体質作りにも役立つんだよ…、って、知ってはいるけど不思議と食事のお供には、冷たいコーヒー、選んでしまう。
水替わり?
カランとグラスに当たって氷が奏でる音も、すがすがしくて、朝がきたっ…、って実感がわく。
舌の上を転がすようにユックリ飲んで、ほんのちょっとでも温かくしてゴクンと喉におしやった。
ほんの気休め、ニッコリと。
ところで、ここのチェーンのスゴいところは、どこのお店にいつ来ても「超」満席ということがないというとこ。
ユッタリしてる。
朝なんか、もしかしたらお客様はボクだけなのかもしれないなぁ…、って思わせるほどのノンビリが何にもましての魅力のひとつ。
経営的には大変だろうけど、こうしたお店がある東京はステキな東京。
そう思う。
今日もお店を独り占め。
[0回]
2009/10/27 (Tue)
日記 : 昭和な喫茶店
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Comment(2)
イノダコーヒー、東京・大丸、遅い昼
イノダコーヒー。
下手をするとお昼を食べ損ないそうな時間のランチ。
一緒に仕事をしていた仲間と二人ではてさて、どこに行こうか?とちと思案。
レストランはほぼオーダーストップという、そんなときには喫茶店が一番便利。
それでここ。
東京駅の大丸にある東京支店。
もともと京都の老舗喫茶店なのであります、同じ関西系老舗ということで大丸のここにやってきたのでありましょう。
この大丸はとてもいかした売り場構成。
各フロアーのおんなじところに喫茶店やカフェがある。
買い物ついでのちょっとした休憩や、待ち合わせなんかにいろんなタイプのお店がこうしてあるということ。
便利だろうなぁ…、って思います。
中でもこの店。
落ち着いた雰囲気のご婦人たちで一杯で、大丸という百貨店の客層にピッタリきているというのもこの店にとって幸福なコトだったのでありましょう。
スゴい混雑…、超満席。
スパゲッティーとサンドイッチをたのみます。
すると一言。
お店の人が「お取り分けになりますか?」って、気のきいた質問をする。
こちらがいわんとすべきことを、先回りして聞いてくれる…、これがサービス。
ええ、その通りです…、って言うと、承知しましたって頷いて、フォークにとりわけ用のスプーンにボウル。
タバスコ、ソルタンペパにタバスコと次々、今日のお昼をたのしむためのあれやこれやがやってきてはキレイに並ぶ。
喫茶店ではあるけれど、これからちょっと贅沢なランチがはじまる…、ってワクワクしてくる。
ステキなり。
しばらくすると銀のボウル。
同じ銀の覆いで蓋され、恭しくもやってきて「お待たせしました」の一言と共にパッと目の前で開かれる。
クワーンと蓋とボウルが触れ合い、小さな銅鑼のような音。
中には見事なスパゲッティ。
イタリアンという名前。
東京ならば「ナポリタン」というべきところの太いパスタのケチャップ焼き。
ベーコン。
ピーマン。
薄切りオニオンにマッシュルーム。
どれもがシッカリ炒めあげられ、極太の麺に絡み付いてる。
クリームまじりのケチャップがトロンとかなり濃厚で、一口含むとササっと舌に広がっていく。
まこと典型的なるナポリタン。
太くて芯をなくすまでタップリ時間をかけて茹でた麺。
なのにグズグズ、やわらかじゃなく、しっかり歯ごたえ残っているのがなんともステキ。
フォークについたソースをちょっと舐めただけでも、再び口にナポリタンのほぼ全容が蘇る。
それほど濃厚…、堪能す。
サンドイッチはステーキサンド。
トーストブレッドで挟まれた分厚い牛肉。
上には何故だかグリルドベーコンが乗っかっている。
ビールのつまみに良さそうですな。
昔、とある洋食屋さんで年嵩の紳士が一人、新聞片手にやってきて、ビールとビフカツサンドをたのんでユッタリ。
パンに挟まれたビフカツだけをまずはつまんで、ビールを飲む。
〆にカツの風味とソースのついたパンですませた…、粋な姿を思い出す。
ここならまずはベーコンで、ビールをたのしみそれからステーキサンドでしめる。
贅沢なのにも程がある、そんなたのしみ、いつかはしたい。
食べ易いように切り分けましょうか?って聞かれてお願いしますとたのんだコレ。
サンドイッチを二つに切って、その一片を三つに細かく切ってくれた…、だからかろうじて噛まずに口に入ってくれる。
それほど肉は分厚くて、みるだにゴージャス。
実際食べると、見た目以上のゴージャスです。
ステーキ肉は食べ易いよう、ザクザク、隠し包丁が無数に入って焼かれてる。
ハンバーガーのパテになる寸前の、でもひき肉じゃない正真正銘、肉の塊。
驚くほどにジューシーで、噛むとジュワッとほとばしりでる肉汁祭り。
胡椒の風味。
ピリっと芥子の香りが鼻から抜ける。
噛む、噛む、噛む。
肉とトーストブレッドがとても自然に一つに混じり、そのどちらもが一緒に口からなくなっていく。
ステーキ+パンじゃなくって、なるほどこれが「ステーキサンド」ということなのでありましょう。
グリルドベーコンもほどよい薫製具合でとても香ばしく、しかもその脂の香りがパンに移ってサンドイッチを風味豊かにおいしくさせる。
目に麗しく、口にたのしい見事なご馳走。
ウットリとなる。
そしてコーヒー。
ここのコーヒーにはあらかじめ砂糖とミルクがはいってくる。
しかも砂糖を混ぜずにだから底にタップリ沈んだ状態。
最初はそのままそっと飲みます。
コーヒーの酸味と苦みの影に甘味がそっと隠れて、不思議なほどにコーヒーらしい香りと苦みが口に広がる。
おもしろい。
しばらくそのまま混ぜずに飲むと、徐々に砂糖の甘味が強くなってくる。
一口ごとに味が変わってくたのしい飲み物。
三分の一程飲んだ頃合いで、スプーンを突っ込みグルグル混ぜて、残りのコーヒーをしっかり溶かす。
甘味が苦みを押さえ込み、とてもやさしいまるで大人のデザートのようになって終わりをむかえてく。
伝統の味、良き昼下がりと相成った。
[1回]
2009/10/23 (Fri)
日記 : 昭和な喫茶店
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東周りで、はまの屋の朝
通勤経路。
東周りと西周り。
新宿方面をグルっと周り山手線のお世話になるか、銀座、日比谷に向かっていって東京メトロをメインにするか。
ちょうど昔、ヨーロッパに行くときに、南周りか北周りかで旅の印象がまるで違ったそんな感覚。
今日はお洒落に東周りでゴキゲンにゆく。
有楽町のガード下。
地下鉄の駅から上がったこっち側は銀座の空気。
ガードの向こうに見えるところは丸の内的空気がただよっている。
街の境目。
ガード下にできた洞窟のようなトンネルの、ど真ん中。
朝、なお暗いところに立って街のこっちと、街のあっちを眺めてぼんやり。
丸の内側には、スーツを着込んだたくさんの人。
信号ごとにまるでうねるよに流れては、ビルの中に飲み込まれてく。
トンネルの先、突き当たり。
スーツ姿を飲み込んでいくビルの一つ、新有楽町ビルヂングの地下をトントン、降りていく。
ビルディングじゃなく「ビルヂング」って名乗るところが、このビル、三菱地所が持ってるビルなんだなぁ…、って。
ここは天下の丸の内。
はまの屋パーラー
にやってきます。
サンドイッチがおいしいお店。
実は昔、同じ有楽町の反対側に「アゲイン」っていうサンドイッチ屋さんがあって、ざっと数えても100種類くらいのサンドイッチが用意されてた。
おたふくソースとおかかの風味が不思議とおいしい「広島お好み焼き風サンドイッチ」なんてのまであり、まるで「パンで挟めぬ料理なし」みたいな冒険心がおもしろかった。
何年くらい前のことだろう。
閉店をして、それでこの店。
はまの屋パーラーだけが残された。
どうかずっと頑張って…、って、応援するよな気持ちになる。
常連さんを大切にする営業努力があってこその事業継続。
けれどそもそも家賃が高いビジネス街で、喫茶店が成立するのが本来不思議なことでもあって、昔の権利。
大家さんの鷹揚がやっとのことでこうしたお店を守ってくれているのでしょう。
サンドイッチをたのみます。
玉子のサンドイッチとハムのサンドイッチを半分ずつで一人前。
パンを強めに焼いてもらった、まっことボクの好みの出来。
食パンを四等分に切る…、というのがここの流儀で、だからフィンガーサンドのような細身に出来上がる。
中に具材がタップリと。
特に玉子はわきまけんがばかりのボリュームで、縦にしたままカプっと齧れるこの形でなきゃ、中身がムニョンとはみ出してしまう。
わかっちゃいるけど、これをスパッをキレイに切れるこの技、包丁、うらやましい。
それにしてもこの卵焼き。
まるでスクランブルエッグをまとめたようなフンワカ、シットリ。
ハムとレタスとそれからトースト。
アメリカンブレックファストを手づかみで食べるようなそんな贅沢。
ちょっと酸っぱい昔ながらの喫茶店的コーヒーをふうふうしながら飲み干して、それで今日がはじまった。
[0回]
2009/10/20 (Tue)
日記 : 昭和な喫茶店
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